「日経平均2万円」はおそらく単なる通過点だ

投資家は「追随買い」をすべきか迷っている

大小合わせれば、それから数えきれないほどの「ショック安」があったが、紆余曲折はあるものの、そこはほとんど買い場だった。2017年はいつにも増してリスクが満載で、投資家を悩ます年ではあるが、結局は、いまのところ、下げたところは買い場になっている。

さらに話がそれるが、「もう一つの4月30日」がある。1999年に東京証券取引所の立会場が閉鎖になった日だ。これは覚えている方も少しはいらっしゃるかもしれない。

広い立ち会い場で「場立ち」が手を振る姿に、投資家は高揚感を覚えたものだった。実は、ここでは分かり易い相場過熱指標(売りシグナル)があった。

前場の売買伝票処理が後場寄りまでに間に合わなくなった時だ。これは百発百中だった。何か古き良き時代のようだが、わずか18年前のことである。この18年間で取引システムは急変し複雑になった。高速取引の進化やアルゴリズム、AI(人工知能)の導入で投資手法は変わったかに見える。

しかし、ビッグデータを駆使したAIが勝つかと言えば「100%ノー」だと断言できる。確かに絶対真理の発見はAIにかなわないかも知れないが、相場の世界はそうではない。必勝法は発見された瞬間に必勝法ではなくなる。皆が同じことをやれば(一斉の売り買い)それは必敗法となる。「投資の新技術」などと言われ、一見複雑になればなるほど、実は勝利の方程式はシンプルになっていくと思うのだが、いかがだろうか。

相場の流れはすでに変わっている

日経平均(2日の終値1万9464円)は、直近の安値1万8224円から一気に1000円以上の上昇で需給関係が大きく変わった。理由はいくつかあるが、以下の五つなどから明らかだ。

すなわち①信用買い残が減り、売り残が増加した②頭を押さえていた「移動平均やれやれ売り」を消化し、移動平均はすべて下になった。総合かい離(25、75、200日移動平均かい離率の合計)も4月20日のマイナス状態から5月2日現在はプラス12.74%に戻っている③空売り比率も30%台に低下し、ずっと続いていた40%台の空売りは買いの仮需(買い戻しエネルギー)となって存在している。④ドル円が、接近している25日移動平均と200日移動平均の極めて狭いレンジに挟まっていたが、完全に円安方向に上放れた⑤外国人、公的年金といった「クジラたち」も買い方になったこと、などの理由だ。

フランス大統領選挙の決選投票は、予想通り、エマニュエル・マクロン候補の勝利が確定的となった。今週の日経平均予想レンジは1万9500円―2万0200円とする。いよいよ2万円台相場のスタートだ。

ただし、この局面はひとまず売られていた主力株中心の買い戻しだが、投資家はこの2万円に迫るところで「追随買い」をして良いかどうか、迷うところでもある。「下げたところは買い」だと言ったが、「上げたところは売り」とも言える。

「日経平均2万円を買う」ということは、2万1000円、2万2000円の目標がなければ買えない。筆者は、「2万円は、上昇相場における心理的な通過点にすぎない」と思っているが、多くの投資家はそう思っていない。連休中の水準訂正の後は当然、出遅れ個別株の物色に移ると思う。これが2万円台相場のスタートの形だと思っている。

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