マリーヌ・ルペンが支持を伸ばした真の理由 父ジャンマリーを追放した効果は大きかった

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その一方で、同性愛については「リベラルな欧州の価値」を守るため、これを支持する。

フランスの「政教分離=ライシテ」の伝統に沿って、ルペン候補は公的場所で宗教的な象徴を明白に出すことについて反対だが、この場合の「宗教的な象徴」はキリスト教の十字架などではなく、イスラム教徒の女性が外出時に体を覆う衣服であることは明白だと言われている。つまり、「反イスラム」なのである。

労組の支持はどこに向かうか?

5月3日、マクロン候補とルペン候補は1対1のテレビ・ディベートに参加し、約2時間半、経済から移民、安全保障など幅広い話題についてそれぞれの意見を戦わせた。ルペンがマクロンを「せせら笑いをする銀行家」(マクロン候補が過去に銀行に勤めていたため)と呼び、マクロン候補がルペン候補を「嘘つき」と表現するなど、感情的な言葉のやり取りもかなり多かった。

会場内で熱狂的な声援を送る支持者たち(筆者撮影)

ディベート終了直後のエルベ社による調査ではマクロン候補が「より説得力があった」とした人は63%、ルペン候補を支持した人は34%となった。翌日の新聞メディアの大部分は、マクロン候補が大統領選での勝利を確実にした、とする見方を示した。

現在のところ、マクロン候補の当選はほぼ確実とみられているが、2つの懸念がある。1つは、「もう勝てるから、自分は行かなくて良い」と考えるマクロン支持者がいることだ。ルペン支持者は投票に向かう比率が高く、これが数%の差となって出てくる可能性がある。

もう一つは労組関係者、左派系支持者の動向だ。今回の大統領選で、第1回目の投票までに急速に支持を集めたのが、急進左派候補のジャンリュック・メランション候補だった。

同氏の政治運動「屈しないフランス」の約24万人のメンバーが参加した調査で、全体の34.8%はマクロン氏に投票するとしたが、29.1%が棄権、36.1%が白票を出す、と述べたのである。

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