ネットで「炎上」した痕跡は2度と消せないのか Googleの検索結果を操作できる仕事がある?
介護士のリンゼー・ストーンは、2012年10月に開催されたワシントンD.C.旅行に参加した。彼女が参加するLIFE(Living Independently Forever = 生涯自立して生きる)という非営利団体の主催する、学習困難を抱える成人の支援の一環だった。彼女は友人のジェイミーとともに高機能学習障害を抱えた人たちの支援に熱心に取り組み、障害者の家族からも好評を得ていた。ナショナルモール、ホロコースト記念博物館、スミソニアン博物館、アーリントン国立墓地、アメリカ造幣局などを訪れ、無名戦士の墓も見た。楽しい旅行だった。
フェイスブックでのジョーク写真が、命取りに
だが、この旅行が彼女にとって身の破滅の原因となった。ストーンには趣味があった。ジョーク写真を撮ることだ。たとえば、「禁煙」の表示の前で煙草を吸っている写真、銅像の前で像と同じポーズを取っている写真など、ふざけた写真を頻繁に撮っていた。アーリントン国立墓地でも、「静寂と敬意を(Silence and Respect)」という表示を見て、1枚撮ることにした。その写真は、自分が表示の前で中指を立てて叫んでいるもの。写真を撮ったジェイミーはフェイスブックに投稿し、ストーンをタグづけした。「きっと大受けだろうと思っていた」とストーンは話している。
投稿のあと、しばらくは静かだった。何人かの友人が気のないコメントをしてきた程度だ。友人の中には過去に軍にいた人もいたが、「あんまり気分のいいジョークじゃないね。悪趣味だ」と言ったくらいだった。
それに対し、ストーンはこう返信した。「いやいやいや……これが私たちだから、悪い子だから。いつも権威に盾突いている。(中略)もちろん、軍で国のために働く人たち、働いてきた人たちに対する敬意はあります。それは別の話」(2012年10月20日のフェイスブック投稿から)。
これまでもジョーク写真でトラブルになったことはないし、今度も特に心配はいらないだろうとストーンは思っていた。
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