ドル円相場はそろそろ大きく動き出しそうだ

「ボリンジャーバンド」で見た為替相場

一方、前回もお話ししたように、ボリンジャーバンドはトレンドを重視する「順張り戦略」にも使われたりします。たとえば、バンドが細くなりつつある中での±2σ~±3σへの動きなどは、「強いトレンドが発生する前の兆候かもしれない」ととらえるのです。つまり、今まで動きがあまり見られず、標準偏差のバンドが収束(しゅうそく)する中で、±2σ~±3σの水準に到達するということは、なんらかの強いモメンタム(勢い)が発生している可能性が高いともとらえられるというわけです。その場合は、逆張りではなく、順張り戦略として、その強い勢いについていくという姿勢をとります。

ボリンジャーバンドの「バンド幅」に注目する

さて、下の図をご覧ください。ボリンジャーバンドを活用して、過去1年間のドル円の値動きを見ています。〔図は「会社四季報オンライン」の有料会員向けサービス(無料では見られません)からとったものです。ボリンジャーバンドは「株探」のチャートなどでも見ることができます〕。

過去1年間のドル円の値動き(画像出典:会社四季報オンライン)

ご存じのように、2016年11月の米大統領選挙前は円高が進み、大統領選後は急速にドル高になりました。年初からは円高基調でしたが、4月中旬以降はやや円高が和らいでいる格好です。これをボリンジャーバンドで見ると、最も上の帯のところでもほぼ+2σ、もっとも下の帯のところでもほぼ-2σのところで、帯のところまで逆側に振れていることがわかります。結果的に「+2σ」「-2σ」のところで逆張り指標として使うと有効に機能したことがわかります。

前回のNYダウ分析では、株価が+3σというめったに出ていない帯のところにさしかかっており、「ここは順張り指標として利用するのがよいのでは」という提案をしましたが、今回はボリンジャーバンドが「逆張り」「順張り」以外の投資戦略のサインとしても使えることをご教示したいと思います。

どんなサインでしょうか。前回も少しだけふれましたが、ボリンジャーバンドの「バンド幅(BandWidth)」に注目するのです。もっと具体的に言いますと、バンド幅の「スクイーズ(バンド幅の収束〈しゅうそく〉)状態」から「エクスパンション(バンド幅の拡散〈かくさん〉)状態」への変化をとらえるのです(拡散から収束という逆の変化も同じ)。

株価や為替が急騰・急落する局面では、結果としてバンド幅が過去の水準と比較し、大幅に収束(バンド幅が縮小)したり、拡散(バンド幅が拡大)する動きになるわけですが、収束や拡散の「前の段階」に注目することにより、次の展開を予想するというわけです。こうした「事前予測」は、プロが投資で収益を上げたり、リスク管理を行ったりするうえで実は重要なサインとして用いられています。

次ページ結局今後は「ドル高」「円高」のどちらに?
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