学歴がなくても、世界で活躍する人の真実 伊藤穰一×波頭亮 (上)
波頭 欧米では、自分の意見を持たない人は価値がないといわれるように、自分独自の意見を持っていないとグローバルでは通用しません。あなたの意見は? あなたのオリジナリティは? それが問われる時代になっているんです。ところが、日本のベンチャー起業家には、オリジナリティに対するこだわりを持つ人が少ない。それが大きな問題だと思っているんです。
伊藤 僕もそうだと思います。グローバルなステージでは、オリジナリティがあれば少ない人数でもレバレッジが利くので、たくさん人がいるから勝てるというモードではありません。だから、波頭さんがおっしゃるように、オリジナリティを持った人たちをいかに育てていくかということが重要になってくる。
僕は、教育の問題が大きいかなと思っているんです。日本における大学の意味は、いい企業に就職するためのブランドでしかない。将来は大企業のお偉いさんになりたい。そのためには、この一流大学に入りたい。一流大学に入るためには、この高校、この中学がいいということで学校を選んでいます。何を学ぶかではなく、どの学校に入ったほうが有利か。こんな教育ではオリジナリティなど生まれるはずがありません。もっと、自分に投資するというコンセプトで学ぶ人が増えないと。
波頭 米国は、ある意味で日本以上に学歴社会だけれど、学歴がなくても突出している人間は実力で評価するという土壌があります。あの学歴偏重のゴールドマン・サックスでさえ、ハーバードでMBAを取っていなくても実績でエースになれる。
伊藤 米国では学歴はフィルターなんですよ。大量の人材をふるい分けるためのツール。学歴そのものが価値だとは思っていない。
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