主婦をメロメロにした「卵のCM」誕生の舞台裏

4月後期「CM好感度ランキング」注目作はコレ

6位はアキタのブランド卵「きよら」。ケチャップライスのキャラクター、寝冷えネコの“きよニャ”が、「一生のお願いです。グルメなたまごきよらで作ったお布団を私に掛けてください」と、切ない声でオムレツの布団をかけてほしいと懇願するCMだ。

「きよらグルメ仕立て」を販売するアキタは、コモディティ化している商品である卵のブランド化に挑戦しようと、有名レストランやレシピ投稿サイト「クックパッド」とのコラボ、移動販売車の期間限定での展開などさまざまなプロモーション活動を行いながら、「きよらグルメ仕立て」のブランディングのベースをしっかりと作ってきた。テレビCMの開始は、2015年10月。アキタの担当者の山﨑俊明氏が、「カロリーメイト」のCMに強く心を惹(ひ)かれて、クリエーティブディレクター福部明浩氏に直接オファー。CM制作が実現したという。

放送後、“きよニャ”のあまりのかわいさにメロメロになった主婦層を中心に大ヒットとなった。CMのヒットに連動して、ユーチューブでの動画視聴回数も大幅に増加し、「作ってみた」などと、実際に自作の“きよニャ”に卵をかけた写真をSNSに投稿する人が相次いだ。

およそ1年ぶりに放送した新作は、パパが娘のためにピクニック用のお弁当を作る設定(記事TOPの動画参照)。お弁当箱に入った“きよニャ”に卵のお布団をかけて、ピクニックへ出発するが、自転車の振動や子どもが振り回したりと、お弁当箱の中が大変なことになってしまう。フィナーレは2バージョン用意されている。いざお弁当のふたを開けると、“きよニャ”の顔がお弁当のふたにくっついてしまい「せつない」とつぶやくもの、そしてお弁当箱の仕切りが動いてしまい、片寄って潰れてしまった“きよニャ”が「せまい」と悲しげに嘆くものだ。

いずれもオンエアは15秒のみだが、30秒バージョンはWeb限定で見ることができる。今回もCMが放送されるや、売り上げは好調に推移しているという。

"きよにゃ"の声は『君の名は。』新海監督の娘

CDの福部氏が強くこだわったのは、“きよニャ”の声。「子どもの声でないとだめ」だとして、前作同様、新津ちせちゃんが担当した。ちせちゃんは、映画『3月のライオン』などに出演している人気子役だが、実は昨年大ヒットした『君の名は。』の映画監督、新海誠監督のお嬢さん。この奇跡のキャスティングも話題を呼んでいる。

また、4月22日からは、吉本新喜劇の座長・すっちーが“すち子ママ”として登場する新作もスタート。いつものように「一生のお願いです。お布団を掛けてください」と懇願する“きよニャ”に、“すち子ママ”が作ったオムレツをフライパンから掛けようとする。と思いきや、すっとオムレツをフライパンに戻す。すかさず、「て、掛けへんのかい!」と“きよニャ”がツッコミを入れる。この関西弁での軽妙なかけあいがかわいらしくて、思わずくすっと笑えるCMに仕上がっている。今後のヒットにも期待したい。

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