「迷走気味の民主党」が米国最大のリスクだ

米国政治の機能不全を増幅しかねない

単なる抵抗勢力に成り下がっている民主党が、米国の最大のリスク?(写真: Shannon Stapleton/ロイター)

4月28日で発足から100日を迎えるトランプ政権がここへきて失速している。代わりに勢いを増しているのが2016年の大統領選で苦杯を喫した民主党だ。

「民主党(の議員)であるには最高の時だ」と、バージニア州から選出された民主党の下院議員はこう豪語する。まさかの敗北を大統領選挙で喫し、議会の上下両院でも少数党の座に甘んじた2016年の国政選挙当時からは、とても想像できない威勢の良さである。来年11月に行われる議会選挙に向けて、下院での多数党奪回を公言する民主党議員すら出てきたという。

防御はできても攻め手がない

民主党が勢いを増す背景には、ドナルド・トランプ大統領の支持率低迷がある。米世論調査会社のギャラップ社によれば、支持率は3月末には36%まで低下。これは、バラク・オバマ前大統領やビル・クリントン元大統領が、通算8年間の任期で記録した支持率の最低水準すら下回る。本来であれば、政権発足から100日間は勝利の勢いがあるはずだが、トランプ大統領は、早くも屈辱的な記録を達成してしまったのである。

支持率低下には民主党も一役買っている。トランプ大統領が試みたオバマケアの廃止・是正には、民主党の議員がこぞって反対。全米各地で共和党議員への反対運動を盛り上げ、いったんは議会審議を頓挫させた。トランプ大統領による最高裁判所判事の指名では、民主党が一致団結して議会承認に反対し、共和党に議会規則を曲げて承認にこぎつける異例の対応を強いることに成功した。

ただし、威勢の良さは見かけ倒しかもしれない。「反トランプ」に頼った威勢の良さを、「野党100日」を超えて発展させられるかといえば、何とも危うい状況である。

なにしろ、民主党には攻め手がない。大統領の座を奪われ、議会の多数党を持たない「完全野党」の身分では、自らの政策を実現させる道筋は開けない。たとえばオバマケアでは、トランプ政権による廃止・是正こそ防ぐことができたが、だからといって、医療保険の加入者を増やすなど、民主党が求めてきたような改革が進む見込みはゼロに近い。

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