カネ、不倫、放言…安倍チルドレンは酷すぎる なぜ国会議員は子どもだらけになったのか

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こうした歴代の「チルドレン」議員は選挙区に強い組織も持たず、追い風に乗って当選した人物が多く、「テレビ出演などで存在をアピールしたがる傾向が強い」(自民幹部)ことから、それぞれの党内でも「単なる採決要員」として軽視される一方で、「地道な選挙活動や政策の勉強は二の次」(同)だったことが生き残れなかった理由とされる。

「安倍チルドレン」の半分は次の選挙が厳しい

もちろん、まじめな議員も多く将来の有望株も存在するが、2度目の選挙でも風が吹いてほとんどが生き残った「安倍チルドレン」をみると、「半分くらいは次の選挙が厳しい議員」(自民選対)というのが実態とされる。仲間の相次ぐ不祥事はその厳しさに拍車をかけており、解散説が流れるたびに二階幹事長ら党執行部が「ちゃんと選挙活動していない議員は候補を差し替える」と警告を繰り返す原因ともなっている。

選挙専門家の多くは、「2大政党実現」を大義名分とした"政治改革フィーバー"で1996年から導入された「小選挙区比例代表並立制」という現在の衆院選挙制度が「チルドレン」発生の原因だと指摘する。1人だけを選ぶ「小選挙区」は「特定の政党に強い風が吹けば、その党に大量の新人議員が生まれる仕組み」(自民選対)だからだ。

もちろん、投票する有権者にも問題があるが、「女性は美人で男性はイケメン。ついでに若さと高学歴」というなにやら"結婚の条件"のような基準だけで新人候補を選びがちな各政党が、抜本的に意識改革をしない限り、永田町を騒がす「チルドレン狂騒曲」は今後も続くことになる。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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