柴又の葛飾区職員寮が「寅さんホテル」に変身 1泊4000円から!不要な官舎は稼ぐ施設に

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木下:それは何ですか?

松田:国会議員の宿舎です。千代田区紀尾井町の清水谷宿舎を、隣の公園の一部を潰してまで建て替えることが決まっています。「国家公務員宿舎は潰しておいて、自分たちはいいのか? 絶対におかしい」。 そう言って私は参議院時代に反対したのですが、これを決めるのは国会議員自身。もっと詳しく言えば国会の議院運営委員会です。普段は与党と野党で大げんかしている議運が、自分たちの宿舎問題になると一致団結して「やりましょう」となってしまう。

結局、この議員宿舎は建て替えられることが決まってしまいました。1~2階にはお店を入れる計画になっていますが、私は1階には保育園や特別養護老人ホームを入れて、国会議員は格安で宿舎に住めるのだから、その代わりにそこでボランティアをさせろと言ったんです。そういう現実の問題に触れる機会がないと、対策も思い付きませんから。

先ほどの野尻さんが話されたプランは、ぜひ清水谷宿舎に提案してもらいたい。窓口になる議運のプロジェクトチームも、このプランなら案外乗ってくるかもしれませんよ。

馬場:僕らクリエーティブ側の人間にとっては、政治の世界に入り込んでいく玄関口が、どこにあるのかがよくわからないんですよね。政治の世界って、本来はものすごくクリエーティブでなければいけないはずなのに、われわれとはものすごく断絶性がある。そこに何らかのインターフェースがあってくれればいいのに、と思うことがよくあります。

――最後に馬場さんも、公務員宿舎のコンバートを最近手掛けられたそうですので、ぜひその経緯を紹介してください。

馬場:「男はつらいよ」で知られている東京都葛飾区・柴又にある同区の職員寮ですね。ちょうど帝釈天の裏の、住宅地の一画です。利用されなくなって何年も経っていたのですが、住宅地の中に廃墟のような建物があるのは怖いということで、葛飾区も「何とかしなければ」と考えていたようです。

そこで耐震補強を区が行い、その後は民間に賃貸して内装から運営まで任せるというスキームで公募をかけたところ、R.project(千葉県鋸南町)というホステルを手掛ける会社が、名乗りを上げたんですね。このプロジェクトで、私は企画と設計を手伝わせてもらいました。

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