「いきなり!ステーキ」は社長も非常識だった 安倍晋三首相に宛てた渾身の手紙とは?

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一瀬社長がいきなり!ステーキを作る際に参考にしたお店とは?(撮影:尾形文繁)

――いきなり!ステーキは2013年12月に1号店を出した。構想のきっかけは何だったのか?

構想が浮かんだのは、2013年8月ごろだ。当時、立食形式の「俺のイタリアン」が流行っていた。おいしいし、お値打ちだった。あの業態は結構ヒントになっている。それで僕は、ステーキを20坪で2000万円以上売るというモデルを思いついた。立ち食いなのは坪数が20坪くらいだからだ。

いきなり!ステーキの一番の売りは、「普通は高くて手が届かない厚切りステーキを思い切り食べられる」ということ。普通は4000円、5000円する厚切りステーキが1500円、2000円ぐらいで食べられたら、お客さんは感動する。厚切りステーキは、表面がカリッと焼けて、中がレア、ジューシー。これを1回食べた人はハマるはずだ。(注文を受けて肉を切る)カット場のパフォーマンスとステーキを焼く技術、この2つも非常に大事にしている。

銀座四丁目に1号店を出したのは2013年12月。売れるとは思っていたが、予想以上だった。翌2014年の夏には月商3000万円を超えて、隣近所の飲食店から行列に対する苦情が出たぐらいだ。

「FCをやらせてくれ」という要望は多い

――ペッパーランチと違い、いきなり!ステーキは直営店が中心だ。また、将来的に国内500店を目指しているが、フランチャイズ(FC)店比率は増えるのか。

常識的に考えると、原価が6割と高く、利益が出ないと思われる。だから当初はFCのなり手がいなかった。でも、お客さんがたくさん来てくれるので、1店舗当たりの売上高は圧倒的に高い。サラダや付け合わせなどの仕込みもほとんどいらない。店舗の売り上げにおける人件費の比率は平均で13%~15%ぐらいだけど、8%、9%と低い店も結構ある。だから、利益が出るんですよ。

最近では「(手数料の)プレミアムを乗せてもいいからFCをやらせてくれ」という要望が増えており、実績のある直営店をFCとして譲渡するケースも増えている。FC店比率はもしかしたら半分以上になるかもしれない。

昨年、高速道路のサービスエリア(SA)にも新店を出したが、これも新しい立地としてありだと思った。今後は路面店に加えて、高速道路のSAや幹線道路沿いも狙っていく。

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