結婚式費用は本当に「デフレ知らず」なのか 若者の「こだわり」で多様化する「○○婚」

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両者を比較してみると、2つの調査における結婚式費用は水準の違いはあるものの、これまではおおむね似たような変化をしてきた。しかし、直近の2015年→2016年の変化は方向が逆になった(「特定サービス産業動態統計調査」では低下し、「ゼクシィ 結婚トレンド調査」では上昇)。

「特定サービス産業動態調査」の調査対象の変更により2014年→2015年の変化がわからないのが残念だが、2つの調査に生じた乖離の理由を考えたい。

「こだわり」があるから「デフレ知らず」?

2015年にかけて結婚情報誌のアンケート調査による結婚式費用が上昇したことについて、日本経済新聞電子版(2016年8月12日)では「結婚費用はデフレと無縁」と分析されていた。「こだわりを持つカップルは健在で、お金はかかるけれど、人とは違った個性的な結婚式を開きたい若者も多い」とする。

確かに、「モノ」に対するこだわりが弱いといわれる若者の消費行動を考えると、「コト消費」の代表である結婚式におカネをかけることは考えられる。実際に、「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)の20代後半と30代前半の「きまって支給する現金給与額」の推移と比べれば、結婚式費用の上昇幅は大きい。少子化によって両親が負担するケースが増えている可能性もあるだろう。

当該調査の結果を見ると、「コト消費」を重視した若者の消費行動が結婚式費用の上昇に寄与していると考察できる。

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