「ビッグワード」を多用する人が隠す理解不足

それっぽいけど伝わらないのにはワケがある

「勝ちに不思議な勝ちあり。負けに不思議な負けなし」という武道の達人、松浦清山の言葉があります。プロ野球の野村克也元監督の名言としてご存じの方も多いでしょう。

資料作成がうまくいかないのには理由があります。何が原因で失敗するのかというNGのやり方や、できる人が絶対にやらないことを知って意識することで、より効果的に勝てる資料が作れるようになります。

私は外資系コンサルティング会社で、コンサルタントとしてさまざまなお客様企業のプロジェクトで資料を作り、プロジェクトマネジャーとしてメンバーの資料の確認・修正などを行ってきました。さらには人材育成部門のリーダーとして5000人以上の方に指導する中で、「こうしましょう」と正しいやり方だけを教えるだけではなく、「これをやってはダメ」ということも伝えたほうが気づきが多いということもわかってきました。

以前の記事(99%の人がやらかす「ダメ資料」ランキング)で、資料の表現におけるダメな例を挙げましたので、本記事では、表現の一歩手前でよくあるNG例をご紹介していきます。

「空・雨・傘」でチェックしてみよう

美しいグラフや図解表現……一見きれいだけど何が言いたいのかが伝わらない資料は、資料を作成する手前の「思考の段階」に問題があります。

たとえば売り上げのグラフの説明として「5年で3%の上昇」とだけ書いてある場合。いったい、そこから何を読み取り、何をすればよいのかが伝わりません。この場合、作成する人はグラフを作っただけでやりきった気になっていることが多く、たいていの場合は思考をそこで止めてしまっています。

このような“思考停止資料”は非常によく見掛けますが、ビジネスで作成する資料は相手にメッセージを伝えて、行動を起こしてもらわないと意味がありません。

こんなときにオススメしたいのが、「空・雨・傘」がそろっているかどうかを確認すること。空・雨・傘は戦略コンサルティングファームで新人が徹底的にたたき込まれる以下のような思考の枠組みです。

(1)空:観察した結果、確認できた事実や状況認識
(2)雨:事実や状況認識を基に導き出した気づきや解釈
(3)傘:気づきや解釈を基に取るべきだと結論づけた行動
次ページ何が言いたいのかが伝わらない資料
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