私の親友の信子さんは4人姉妹の末っ子です。母親の毎日のヒステリーは正常でなく、何もしていない子どもたちにわめく、たたくは日常茶飯事だったそうです。その母親は、同居する祖父母の存在が疎(うと)ましすぎて、感情がコントロール不能に陥ってしまったようです。
ヒステリーを持った母以外の家族の性格は穏便で、お互いに母の火の粉が飛ばないようかばい合い、息を殺して暮らしました。ところが収まることはありません。逆に周囲がおとなしすぎたためか、母のヒステリーは天井知らずだったそうです。
喜んで帰るべき家が、信子さんにとっては地獄のような場所でした。美月様の弟様が亡くなられた原因はわかりかねますが、信子さんは物心ついてからずっと、そのようにして世を去ることばかりに、取りつかれていたそうです。
早期に縁切りした人が、幸せになる
4人姉妹のその後の母親との関係はどうなったか。
皆、近くに住みますが、4人4様でした。結婚後の長女は、冠婚葬祭も含めて母親とは絶縁することで、結果的にその後、心安らかに暮らすことができました。
いちばん近所に住む気が弱い次女と三女は、結婚後何十年も、物心両面で母親に振り回されました。掃除機をかけていても涙が止まらず、友達と会食していても、言うとおりに従わなかった場合の母親のヒステリーを思い出すほどだったそうです。恐怖で支配される中で、2人とも徐々にノイローゼぎみになってしまいました。
末っ子の信子さんは、どうだったのでしょうか。
結婚後も母親を許すことはできていませんが、父親は理屈抜きに尊敬の対象だそうです。両親に理解されたいという思いも人一倍で、父親の喜ぶ顔が見たいがために母親にも尽くしました。
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