アベノミクスという言葉は、もう飽きた

上がるイメージが誰にも浮かばなくなった、日本株の今後

米国株式市場は現在、3つの条件がそろっている。まず、企業収益は絶好調であり、ファンダメンタルズからも買うという説明がつく。第二に、バーナンキ議長の出口戦略は、債券には大きなダメージだが、逆にカネが債券から株へ流れることになっている。第三に、しかも、世界的には、米国金融政策の引き締めへの転化は、リスクオフの動きをもたらし、カネは新興国から米国へ戻ってきている。

面白いのは、米国内で見れば、リスクオフなら株から債券なのだが、それが量的緩和の縮小によるものなので、米国債券に直接的なダメージがあるため、株へ流れるということであり、新興国からはリスクオフで普通に資金が戻ってくるから、本来なら米国債へ行くところが、それが米国株となっているのだ。したがって、米国株にはとことん資金が集まっている。

上がるイメージが、誰にも浮かばない日本株

しかし、だからこそ、米国株式市場は怖いのだ。資金が集まりすぎており、短期的には過熱の雰囲気があるからだ。ただ、米国株が調整しても米国株自体には大きなダメージはないだろう。なぜなら、短期の過熱が怖いだけで、中期的には回復するというシナリオを多数派が望んでいるからだ。前述のように、カネは集まっている。また、ファンダメンタルズも強い。金融引き締めもファンダメンタルズが強いからということなので、どこかで株価のネガティブな反応は収まるだろう。

問題は、日本株なのだ。日本株が下がっている理由は、上がるイメージが、誰にも浮かばなくなっているからだ。

アベノミクスという言葉は、もう飽きた。株価上昇も一時は興奮するほど急騰したが、5月後半から6月でその熱も冷めた。冷静になってみると、急激に上がったから今さら買うのもどうかという気もしてくる。そこへ、企業決算は期待したほど強くはない。安倍政権の安定性は、民主党政権時代から見ると非常に貴重だったが、もう慣れてきてしまって、ポジティブな材料にならない。消費税は上がれば景気にマイナス、上げられなければ、政府財政、国債市場にマイナス、ということは金融市場全般にもマイナス。いずれにせよマイナスなのだ。そして、成長戦略は当然失望に終わる。

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