ナポリタンも武器に、横浜老舗ホテルの逆襲 JR出身新社長が狙うクラシックホテル復権

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クラッシックホテルへの思い強く

ニューグランドは横浜を代表するクラシックホテル(撮影:尾形文繁)

濱田社長はJR東日本出身でJRの横浜支社長もつとめた人物。自らを歴史好き、クラシックホテル好きと称し、「就任前は年間100回くらい通っていた」と言うほどの“ニューグランド・ファン”。

「業界ではヒルトン東京が進出した50年前から日本のホテルの歴史が始まったように評価されているが、1940年(昭和15年)より前に誕生したクラシックホテルは、西洋の見よう見まねで独得の文化を形成した」(濱田社長)。

この系譜のホテルには富士屋ホテル(箱根)、日光金谷ホテル、奈良ホテル、東京ステーションホテルなどがある。そして後者2ホテルはJRホテルズの運営だ。濱田体制のもとで、ステーションホテルとはカクテルなどのレシピ交換、JRホテルズ全体とも共同販促などの取り組みが始まっている。

その先には、クラシックホテル好きの濱田社長ならではの思いともいうべき、クラシックホテルの協調体制なども検討されている。現在は単なるブームにとどまるナポリタンなどの単品メニューも「法人宴会の際も指定されることもある。レストランで昔のメニューの復活ができないか、考えている」(濱田社長)という。

50年前、前回の東京オリンピック開催のために全国でホテルが林立した。それを横目に独自路線で生き残ったクラシックホテルであるニューグランドは、次の東京五輪が確実視される2020年に向け「クラシックホテルの良さを保った魅力アップ」(濱田社長)となる改修計画の策を練り始めた。

山川 清弘 「会社四季報オンライン」編集部 編集委員

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やまかわ・きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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