ホンダ「NSX」長距離ドライブでわかった実力 シビアな面もあるがとにかくよく曲がる

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もうひとつ、クルージング中のパワートレインの音や振動に、官能性というか感じ入る何かが足りなかった。このテのスーパーカーの場合、煩くても振動があっても、それが乗り手の心を昂らせるようなクオリティのノイズであれば、嬉しいものだ。NSXはその点、き真面目でアソビが足りないようにも思う。

とにかく、よく曲がる

京都に着いてから、嵐山高雄パークウェイという“MYホーム・ワインディングロード”に持ち込んでみた。さすがに、曲がりくねったステージでは水を得た魚だ。とにかく、よく曲がる。曲がり方の鋭さにおいて、このサイズのミドシップカーのなかでは最上の部類に入る。しかも、それが速度を上げた状態でも続く。これには、ちょっと感動した。新しい乗り物感という点では、昨今ずば抜けていよう。

京都の街中でも注目を浴びた。特に外国からの観光客からは、すさまじい数の視線が集まる。何だか、日本人として誇らしい気分になる。米国製ではあるけれど。

街中でも少しだけ気になることがあった。プリプロダクションの個体だからだろうか、静かに走行中していると、いろんなところからピコピコと正体不明の電子音が聞こえてくる。そのたびにドキっとしてしまうのだが、もちろん、大事にはいたらない。生産仕様では、収まっていることを期待したい。

スーパーカーとしての素質は十分にある。今後のグレード展開やよりいっそうの電動化にも大いに期待したい1台だ。

【今回のテストカー】
ホンダ NSX|Honda NSX
長距離ドライブの快適性 ★★★☆☆
京都の街中使い勝手 ★★★☆☆
ラグジュアリィ度 ★★☆☆☆
コストパフォーマンス ★★★★☆
うらやましがれ度 ★★★★★

 

(文:西川淳)

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