あの芸能人は本当にゴリ押しされているのか トラブル続きの芸能事務所に募る不信感
いかにもゴリ押しと言われやすいのは、「このタレントは伸びる」という見立てが芸能事務所と一般の人々で異なったとき。たとえば、かつて小島瑠璃子さんや剛力彩芽さんの抜擢が続いたとき、ネットではゴリ押しという声が飛び交っていましたが、芸能関係者の多くは「彼女たちが才能にあふれているのは明らか」という見立てでした。
ちなみに当時、私も2人にお会いしたとき、「すごい才能の持ち主だな」と感じました。ただ、同時に「この才能が魅力として、すぐに浸透するかはわからないな」とも思ったものです。案の定、2人はゴリ押しと言われてしまったのですが、その後の努力もあって、徐々に批判の声は収まっていきました。
芸能事務所のマネジャーからときどき聞くのは、「当初の見立てよりも成長が遅いし、人気が上がらないから、今後のマネジメントプランを迷っている」という言葉。「先行投資したのだから、もう少しこの路線で頑張らせたい」「もう別の方向性も考えるべきなのか」と相反する気持ちで迷っているのです。
しかし結局、「レギュラー出演の数を減らしたくない」「できれば主演から助演に下げたくない」と考えるのがマネジャーの性(さが)。それを見た一般の人々から、「実力も需要もないのに誰得?」「事務所の人以外、意味不明のゴリ押し」などと酷評を受けてしまうのです。
ディーンや星野源はゴリ押しか?
次に挙げたいのは、タレントの事情。タレントがゴリ押しというバッシングを最も受けやすいのは、急激に出演番組が増えたときや、「初主演」などの抜擢を受けたとき。しかし、「日々のレッスンが実を結んだ」「ヘアメークを工夫したことでオーディションに受かるようになった」というケースや、「もともとオファーは断らないことにしている」という意思表示など、必ずしも芸能事務所のプッシュによるものとは限りません。
また、俳優がゴリ押しと言われやすいのは、漫画の実写化など、ファンの思い入れが強く、期待値が高い役柄を演じるとき。ただ、俳優たちは疑問の声が出ることはわかっていて、それを覆そうと覚悟を持って、役作りに挑んでいるのです。
私がタレント本人に聞いた経験では、30代男優、20代男優、20代女優、20代女性モデル、10代の女性アイドルの全員が、「ネットでゴリ押しと言われていることを知っている」と言っていました。
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