こうした改革の断行には指導力が不可欠だ。韓国人は誰が大統領になっても朴氏よりはましだと信じ、期待している。世論調査によれば、罷免直前の朴氏の支持率は4%にまで落ち込んでいた。
次期大統領にとって最大の挑戦は、政治家と財閥トップとの結び付きを解くことだ。財閥の政治への接近は現在、競争を妨げ、中小企業の成長を阻害している。
サムスングループの事実上のトップである李在鎔(イジェヨン)氏が2月に贈賄などの容疑で逮捕されたことは、この問題の重さを示している。大統領候補が全員、財閥に関する問題の是正を表明しており、改革の機運は高まっている。
最も重要なのが外交問題だ。朴氏の後継者には日本や中国、ロシアとの関係を安定させるための洞察力が求められる。もちろん北朝鮮の非核化、ドナルド・トランプ米政権への対応なども不可欠だ。
「金大中大統領」の再現となるか?
韓国は過去の政治的、経済的な混乱を生き抜いてきた。1960~70年代に、政治家と財閥との腐敗した関係を作り出したのは朴氏の父親だった。結果として金融機関などの体質が弱くなったことから、1997年の通貨危機によるダメージが増幅される結果となった。
国のトップによる失政を受けて有権者が新たな方向性を望むのは、当時も今も変わりはない。保守派が1997年の危機から国を守る能力を欠いていたことは、1998年に野党指導者の金大中(キムデジュン)氏が大統領に就く道を開いた。
政治的な浄化が再び韓国に訪れる可能性は非常に高い。だが、5月に誰が大統領に当選したとしても、朴氏が手をつけられなかった課題に直面することは確かだ。
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