日経平均4日ぶり反発、内需株が堅調  日銀「ETF買い観測」も支え、後場は小じっかり

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 3月23日、東京株式市場で日経平均は、4日ぶり反発。1ドル110円台まで円高が進んだことを嫌気して外需大型株に売りが先行、指数は一時、取引時間中として2月9日以来の安値水準を付けた。写真は都内で2015年1月撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[東京 23日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、4日ぶり反発。1ドル110円台まで円高が進んだことを嫌気して外需大型株に売りが先行、指数は一時、取引時間中として2月9日以来の安値水準を付けた。だが、円高一服を背景に買い戻しが入りプラス圏に浮上。堅調な内需株や日銀のETF(上場投資信託)買いの観測も下支えとなり、後場は小じっかりとした値動きとなった。

TOPIXも4日ぶり反発。セクター別では、石油・石炭、鉱業、不動産が上昇率の上位。半面、その他製品、海運、銀行の下落率が高かった。

参院予算委員会で、学校法人「森友学園」の籠池泰典氏の証人喚問が行われた。同氏は国有地取得で政治的関与があったのではないかと思っている、などと述べたが、市場への影響は限定的だった。

また自民、民進両党は迫田英典国税庁長官と武内良樹財務相国際局長を24日の参院予算委員会に参考人招致することで合意した、との一部報道が出たが、「両氏は籠池氏より安倍首相や夫人の昭恵氏との直接的な関連が薄く、あまり材料視はされないだろう」(大和住銀投信投資顧問・経済調査部部長の門司総一郎氏)との見方が出ていた。

米国でのオバマケア(医療保険制度改革法)の代替法案採決やイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を今晩に控え、投資家の様子見姿勢が強まった。

個別銘柄ではトーカロ<3433.T>が大幅反発。22日に発表した業績・配当予想の上方修正を好感した買いが入った。1株75円としてきた年間配当予想も85円(前年実績75円)に増額修正した。

半面、日本製鋼所<5631.T>が続落。同社は22日、2017年3月期の連結当期損益予想を80億円の黒字から40億円の赤字に修正した。素形材・エネルギー事業の事業環境の回復遅れなどに伴い減損損失(特別損失)が発生する。

任天堂<7974.T>は6日ぶりに反落した。米資産運用大手ブラックロック<BLK.N>の日本法人が22日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で、同社が任天堂株の5.17%を取得したことが明らかになり、これを材料視した買いが先行したが、徐々に利益確定売りに押された。

東証1部騰落数は、値上がり824銘柄に対し、値下がりが1037銘柄、変わらずが149銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値     19085.31 +43.93

寄り付き   19048.84

安値/高値  18973.75─19105.11

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1530.41+0.21

寄り付き     1528.46

安値/高値    1523.11─1531.73

 

東証出来高(万株) 175963

東証売買代金(億円) 21905.45

 

(辻茉莉花)

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