「朝」の関西大手私鉄、一番速い列車はどれだ 関東編に続き特別料金不要の列車を比較

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ラストは阪急だ。ここは密かに本命ではないかと思っていた。何しろ特急、通勤特急、快速急行、急行、通勤急行、準急と様々な優等列車があるのだ。近鉄が関西私鉄のキング(王様)だとしたら、こちらはさしずめプリンセスといったところか。

まずはそんな王女や姫君の聖地・宝塚へと向かう宝塚線から。ただし、同線の最速種別である能勢電鉄線直通の特急「日生エクスプレス」や通勤特急は川西能勢口から先は走らないため、ここでは川西能勢口─梅田の17.2キロメートルで検証した。「日生エクスプレス」は所要時間24分・表定速度43.0キロ、通勤特急は25分・41.3キロだ。

「本命」と思っていた割にはそれほど速くないが、同線は阪急の中でも比較的スローな路線。河原町─梅田47.7キロメートルを結ぶ京都線は、快速急行(8時39分発・梅田行き)が所要時間47分、表定速度は60.8キロとかなり速い。

そして本丸は神戸三宮-梅田間32.3キロメートルを結ぶ神戸線だ。同線の最速種別は特急、次いで停車駅が一つだけ多い通勤特急だが、7時台はそれぞれ4本、8時台は特急が2本に減るものの代わりに通勤特急が5本に増え、9時台も特急4本、通勤特急2本と優等列車が多い。約30キロメートルの通勤路線としてはかなり便利な環境ではないだろうか?

本数だけでなく、肝心の速さについても特急(7時00分発・梅田行き)が所要時間30分・表定速度64.6キロで、これまで取り上げた各線の中でトップに躍り出た。まさに私鉄のプリンセス阪急の面目躍如といったところだ。

最速は阪急神戸線の通勤特急

これで第1位は決まったかと思われたが、思わぬ伏兵がいた。神戸三宮9時00分発の通勤特急だ。平均的に所要時間31~32分で走る通勤特急だが、この列車は29分で駆け抜ける。表定速度は66.8キロで、これが今回取り上げた関西大手私鉄の列車の中で最速だ。梅田着は9時29分。今回のルールである「7時30分~9時30分までに終点駅に着く」をわずかに1分残して逃げ切った形となった。

というわけで結果は、阪急神戸線の通勤特急が1位に輝いた。この列車は、関東大手私鉄で1位となった京成の成田スカイアクセス線「アクセス特急」の表定速度65.3キロをも上回り、関東・関西で総合1位だ。2010年開業の高速路線を走る列車を上回るとは、まさに「私鉄王国・関西」を裏付ける結果といえるだろう。

次ページ表定速度60キロ超は5路線
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事