株主総会議事録から見える、東電のホンネ 希薄な加害者意識、除染は「お客様対応」と無責任発言も
検証不十分なままでの、原発再稼働申請に批判
「福島第一原子力発電所の事故に際しましては、われわれは深く反省すべきところがあったというふうに考えております。人智を尽くして事前の備えをしていれば、この災害は防げたのではないかという質問に対して、防げたのではないか、これがわれわれの考えであります。
(中略)われわれの不足していたところは安全意識、そして安全に関する技術。さらに安全に対するコミュニケーション力。こういったもの、対話力、こういったものが明らかに不足していた分があるというのが、われわれの今回のスタートでございます。今後皆様方のご指摘、ご意見を踏まえ、かつわれわれとしてできることを最大限実施していきまして、不退転の覚悟で原子力発電、原子力設備の安全をより高めていきたいと思っております」(相澤善吾副社長)(→同(5)の7ページ)
(東洋経済記者による解説)「想定外」を繰り返した事故直後と比べると、認識を変えたようにも見えるが、福島地裁で開かれた第一回口頭弁論陳述書では、「想定外」「予見不可能」を16回も連発。不法行為や、重過失はなかったとして、住民の訴えを退けるように求めている。
そうした中での原発再稼働申請の動きについては、福島県内の自治体首長や新潟県知事、地域住民からも強い批判を受けている。
総会では、東電が再稼働を急ごうとしている柏崎刈羽原発について、「いくら東電の持ち物とはいえ、地元に相談もなく、再稼働の準備をしていることに大きな違和感を感じています」と、新潟県から来た女性株主が発言。「東電にはまだ原発を運転する資格があると思っているのでしょうか。そんなおカネがあるなら、福島の原発事故で生活のすべてを失った人たちに役立てるべきです」と述べている。
※(参考)東電が公表した株主総会関連資料は、同社ホームページも参照。株主総会開催通知(招集通知)や平成24年度報告書などが掲載されている。
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