米FRB議長後任人事、サマーズ氏へ強い逆風 バーナンキ議長の後任指名は、今秋決定?
[ワシントン 25日 ロイター] - オバマ米大統領は、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の後任を数カ月以内に指名する見通しだが、ここへきて有力候補と取り沙汰されるローレンス・サマーズ元財務長官への風当たりが強まっている。
反発の声は共和党ではなく、民主党左派から上がっている。サマーズ氏は、オバマ政権で国家経済会議(NEC)委員長、クリントン政権で財務長官を務めたほか、ハーバード大学学長、世界銀行チーフエコノミストも歴任。クリントン政権下ではアジア金融危機に対処した。
しかし、リベラル派は同氏について、金融規制撤廃を先頭に立って進め、金融危機に至る手助けをしたと批判。ヘッジファンドのD.E.ショウに在籍していたことを挙げ、ウォール街と政府の間を行き来する典型的な人物と指摘している。
サマーズ氏はロイター向けにコラムを執筆している。
同氏の代理人はこの記事に関するコメントを拒否した。
ホワイトハウスとFRBもコメントを拒否した。
FRB、もしくはホワイトハウスに近い複数の関係筋によると、シティグループ経営幹部も務めたロバート・ルービン元財務長官ら複数の有力民主党員が水面下でサマーズ氏を支援しているという。
サマーズ氏は、もう1人の有力候補、ジャネット・イエレンFRB副議長とともに、議長に就任してもバーナンキ氏の路線を大枠で引き継ぐとみられている。
サマーズ氏の支援者らは、同氏には金融危機に対処した強みがあると主張している。
クリントン政権下の財務省でサマーズ氏と働いた経験があるカリフォルニア大学バークレー校のブラッド・デロング教授は「コンセンサスがある時は誰がFRB議長になってもほとんど問題はない。問題がある時には既成概念にとらわれずに考えなくてはならず、その際に彼(サマーズ氏)の強みが生きる」と語る。
関係筋によると、サマーズ氏に反発する民主党上院議員らは、オバマ大統領にイエレン氏を指名するよう書簡をしたためた。イエレン氏が議長に就任すれば初の女性FRB議長となる。
民主党のシャーロッド・ブラウン上院議員(オハイオ州選出)は書簡に携わったとされる。何人の上院議員が署名したかは不明だが、トム・ハーキン上院議員(アイオワ州選出)ら複数の民主党議員は、サマーズ氏ではなく、イエレン氏が議長に好ましいと公言している。
ブラウン上院議員の広報担当者に電子メールでコメントを求めたが、回答はなかった。
イエレン氏の広報担当者もコメントを拒否した。