積極的に長時間労働したい人が見落とす盲点 バリバリ働いて成長したい若手の悩み

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まずは、あなたの会社のトップや幹部の人たちをよく観察してみたらどうでしょう? きっと、会社の成長期に、全力をあげて仕事をしているとは思いますが、自分で時間をコントロールし、心身を健康に保ちながら高い集中力を発揮しているのではないでしょうか。

「寝食を忘れて働く」のは、デスクの前でだけとは限らないのです。あなたは「もっと働きたい」と思っていて、私はその権利はあると思います。でも「長く働きたい」のではなく、「もっと経験を積みたい」とか「もっと経営を間近で見たい」とか、そういったことに置き換えられるのではないでしょうか。それであれば、私の上司が私に言ってくれたように、夕方にはくたくたになるほどの集中力をもって、「半分の時間で同じ成果」を指向してみてはどうでしょう。そのスキルを周囲から盗むのも学びになるはずです。そしてその力が高まっていけば、あなたには、もっと大きなミッションが「生産性を高めながら」の言葉とセットで任されるのではないか、と思うのです。あなたが就活のときにした覚悟は、きっと生かされると思いますよ。

正しいやり方でたっぷり働く

若いうちに、こういった訓練ができることって、とてもすばらしいと私は思います。「先輩たち、ずるい!」と今言われたら、「若いうちからこのスキルを磨くことの大切さに気づけるなんて、あなたたちのほうこそうらやましい」と言ってしまうかもしれません。将来、働く時間や場所に制約ができたときにも、間違いなくあなたを支えるスキルになるでしょう。

そんな人たちがつくる「働く社会」は、「成果」や「価値」に焦点があたる、ある意味厳しいものになるかもしれない。でも、「長い時間は働けないから、仕事をあきらめる」といったことがなくなっていく未来につながる1歩でもあると思うのです。

あなたはぜひ、正しいやり方でたっぷり働いてください。心身ともに健やかに、ぜひ多くの経験をビジネス社会で積んでいってもらいたいと思います。起業という目標もありますしね! ずっと応援しています。

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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