12位の早稲田大学も同様で、みずほフィナンシャルグループと三井住友銀行がそれぞれ118人、三菱東京UFJ銀行が108人といった、就職状況の割に順位が低い。
就職に力を入れている大学の評価軸として、「少人数教育の充実」を挙げる教員も多い。5位の産業能率大学は、教員からの知識の一方通行ではなく、教員と学生または学生同士が学び合うアクティブラーニングや産学連携授業に力を入れている。こうした教育は同大のように規模の小さな大学になじみやすい。23位で並ぶ小樽商科大学や国際教養大学、富山県立大学も小規模な大学だ。
小樽商科大は1910年(明治43年)に設置された、小樽高等商業学校から始まる伝統校。北洋銀行や北海道銀行といった地元の企業以外に、損保ジャパン日本興亜など、首都圏に本社のある大手金融機関の就職者も多い。
また国際教養大は、留学生との寮生活や留学が必須など、グローバル教育に力を入れる。卒業生は、神戸製鋼所や日産自動車など、グローバル企業に強い。富山県立大は就職に強い工科系単科大学だ。この3校はそれぞれの強みを生かした高い就職率が認められているのだろう。
女子大では昭和女子大の実績が突出
女子大でベスト20に唯一入っている昭和女子大学は、卒業生が1000人を超える比較的規模の大きな大学ながら、「少人数教育を行っていて指導がきめ細やか」(東京・私立高)な点が評価されている。この規模の女子大で、実就職率が6年連続でトップということも、ランキングを押し上げる要因となっているようだ。
女子大に対しては「一貫した女子教育のノウハウを実践している」(群馬・公立高)と考える教員が一定数いる。そうした評価を背景に、上位50校には東京女子大学(22位)や学習院女子大学(28位)、武庫川女子大学(36位)、津田塾大学(38位)、日本女子大学(44位)が入っている。
今後も新卒に対する求人倍率が高く、就活環境は売り手市場が続きそうだが、採用基準を下げてまで内定を出す企業は少ない。厳選採用が続く中、高校教員による大学の就職支援に対する注目度は高い。就職に力を入れて結果を出すことは大学にとって重要課題なのだ。
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