2〜3年前から一般のお客さんに交じって、外国人観光客が増えてきました。今では連日、95%が外国からのお客さんという盛況ぶりです。殺陣の基本を学んだ後に、1〜3分程度セリフ付き立ち回りシーンを練習します。そして青い目に着物を羽織り、お師匠さんを相手に「YAMETEOKE(やめておけ)」と制したうえで大立ち回り。バッサリ斬って捨てて「BAKAMONO(バカ者)」と見えを切ります。スタッフがカンペを持ってくれているので、皆さん、気持ちよく「バカ者!」と叫んでいます。
でもなぜこんなに人気なんでしょうか。
「日本では時代劇はテレビでもあまり見られなくなりましたが、外国では、クロサワやラストサムライなど根強い人気です。漫画の『るろうに剣心』や『NARUTO』の真似をしたい、という女性の方もいます。サムライやニンジャをただ見るだけでなく、体験するのがいいんでしょうね。扮装もして、音響効果やBGMを加えるのも好評です。あと、1回で完結するお手軽さも受けているようです」と八木会長。そして、チャンバラシーンを撮影して、滞在先にデータとして送ってあげます。八木会長は元カメラマンですから、撮影もプロ仕様。うまくいかなかったシーンも上手に編集してくれるサービス付きです。皆さん、YouTubeでアップするなどして大いに盛り上がっているそうです。
先ほどのテレビ画面では三々五々、外国からのお客さんが集まっていましたが、普通は、旅行会社がツアーの一環として、大量に送り込んでくれます。世界最大の旅行サイト「トリップアドバイザー」にも掲載され、観光客もさらに増える勢いです。
「侍スペシャルナイト」とは?
また道場だけでなく、ホテルや文化教室などにも出掛けていきます。取材の日も、講師6人が宴会場「太閤園」に呼ばれていました。これも外国人観光客向けで、ショーが10分、後は希望に応じた体験コースで、合わせて1時間の「侍スペシャルナイト」です。
こうした忙しい毎日を常時10人のスタッフで回しています。居合の先生だった人(「拙者、赤兵衛と申す!」)、大学講師、経営者、主婦と多士済々。侍と忍者が大好きな元生徒さんたちで、労を惜しまずよくやってくれていますが、いかんせん、人手が足りません。今後いかにして指導者を増やすのかが、大きな悩みの種です。
現在、力を入れている新しい試みが「もののふ塾」です。子供時代、草っ原で竹光を振り回していたシルバー世代にもう一度チャンバラを、との思いを込めて、この2月から始めました。昔懐かしいチャンバラを通じて、健康(含むダイエット)、ストレス解消、生きがい、そしてボケ防止を狙っています。
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