「浪人してゆっくり考える」のは時間の無駄だ

単なる決断の先延ばしにすぎない

大学在学中は大学生というステータスを利用して、各種のセミナーやインターンシップ、アルバイトなどを通じて、仕事の一部を実際に経験してみるいい期間でもあります。そういった活動を通じてご自身の経験と知識を広げ、今まで漠然としていた「やりたいこと」または「やりたいと思っていること」を、どんどん現実的な選択肢に落とし込んで行けばよいのです。

ただし、ひとつ注意が必要です。そういったやりたいことは、誰かが見せてくれたり、与えてくれるものではないということです。あくまでも自分自身でいろいろと積極的に行動し、自分の中で「人生とは」「仕事とは」といったことを消化し、考えを形成しないといけません。

実は社会人でもやりたいことがわからないというケースは非常に多く、その場合は先ほどの2つのパターンの後者である、経験をしているものの深く考えていないケースに当たります。つまり、仕事という業務を日々こなしているものの、“仕事ってこういうものだ”という変な前提条件を自分の中で構築してしまい、自分の人生における仕事の位置づけや、ほかの仕事という選択肢を考えることを放棄してしまっているパターンです。

社会人ですらそういった始末ですから、学生である優佳さんはもっと真剣に仕事というものを考える必要があります。何かの分野を勉強したり、経験してみたときには、どんな箇所が気に入って、逆にどんな箇所が自分として引っかかったか、そういったことをつねに自分に問いかけ、仕事という切り口における自分を理解する必要があります。

選択肢を最初から絞ることは適切ではない

なお、その際には最初から選択肢をあまり過度に絞ることは適切ではありません。自分がやりたいと漠然と考えていることを勉強したり経験するのはもちろん大切ですが、反対に自分が「これは避けたい」というものや、まったく選択肢に入っていなかったことを勉強したりするのも、非常に有効な手段です。

なぜならば、それによって、自分がなぜ好きなのか、嫌いなのかがわかりますし、興味の対象や特徴もリアルに整理できるからです。冒頭で浪人をしてゆっくり考えるのは無駄と申し上げましたが、まさにそれが理由です。すなわち、浪人してゆっくりと考えるということは、自分が幅広くリアルに経験をして考える時間を奪ってしまう行為だからです。ですから、それは単なる決断の先延ばしにすぎません。

決断を下すためには、経験と知識が必要なのです。であれば、自らを世間から隔離するのではなく、アクティブにかかわっていかないといけません。幸いに、「違う」と思ったらいつでも変更が可能な年齢です。優佳さんは、現時点で「やりたいと思っていること」があるようですから、まずはその道で進んでみればいいのです。それが違ったら変更すればいいのですよ。なぜ違ったのかをとことん考える糧にすれば、それが経験と知識になるのですから、次はもっとレベルの高い選択をできますよね。

このように人生において迷ったら、立ち止まるのではなく、前に進んでみましょう。そうすれば、経験を通じて、今まで見えていなかった世界が見えるようになりますよ。

昔見えていた自分のやりたいことや夢よりも、今日や明日見えている夢や希望が大きければ、人生は成功しているという証しです。悩むより、話し合うよりも、行動が大切です。なぜならば行動が経験と知識につながるからです。何事も「Action speaks louder than words」ですよ。

優佳さんが立ち止まるのではなく、前に進むことでご自身の輝かし未来を切り開かれることを応援しております。

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