アマゾン、クラウドめぐり巨人IBMと火花 大企業、政府向けで頭角現すアマゾン
株価は過去最高値
アマゾンはオンライン書籍販売企業としてスタートしたが、過去数年間にタブレット型端末などへ事業を拡大している。
投資拡大に懸念を示す声もあるものの、株価は7月16日に過去最高値309.39ドルをつけ、年初来で22%強上昇している。対照的に、米ソフトウエア大手のオラクル
AWSは今月、人気サービスの1つ「EC2」の価格を引き下げた。これを受けて、米クラウド大手ラックスペース・ホスティング
アナリストらによると、AWSの売上高は少なくとも年間20億ドルとみられる。アマゾン全体の売上高は600億ドル超。政府向け需要の高まりなどで、数年以内にAWSの売上高は100億ドルを超えるともみられている。
米会計検査院(GAO)による入札関係報告書によると、CIAとの契約をめぐって争った5社はAWS、IBM、マイクロソフト
入札結果にIBMは抗議しており、GAOは6月、CIAに対して契約交渉の一部をやり直すよう求め、IBMに一定の機会を与えつつ、AWSのオファーが優れているとも指摘した。
GAOの報告書によると、CIAは「オートスケーリング」と呼ばれる機能についてIBMの能力に「深刻な」懸念を示したという。
調査会社ガートナーのクラウドコンピューティング担当アナリスト、Kyle Hilgendorf氏は「オートスケーリングは非常に複雑であり、十分提供が可能なクラウドプロバイダーは多くないが、アマゾンは提供能力が高い」と指摘。「IBMがより良いクラウドサービスを持っているとは思えない」と指摘した。
IBMの広報担当者、クリント・ロズウェル氏は、CIAの提案についての政府の評価に「誤り」があると指摘。「IBMは企業レベルの安全かつ強固なクラウドソリューションを提供することができ、この重要機関の要求を満たすことができる能力をわれわれが示す新たな機会を楽しみにしている」と述べた。
アマゾンの広報担当者は、CIAとの契約に関するコメントを拒否した。
CIAの報道官もコメントを拒否した。
IBMは6月、AWSのライバル企業であるソフトレイヤー・テクノロジーズを買収。Ptak Associatesのビル・モラン氏は、CIAが契約交渉をやり直した場合にはIBMの役に立つだろうとの認識を示した。
(Alistair Barr記者;翻訳 川上健一;編集 山川薫)
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