金正男暗殺、ミサイル発射で暴走する北朝鮮 米国に承認されない金正恩委員長の焦り

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北朝鮮の声明も、何がポイントなのか、わかりにくい。実験の成功をたたえる一方で、米国や韓国などを非難する。また、声明を聞く側には、北朝鮮がこれまで非人道的な行為を繰り返してきた過去についての記憶があるので、素直に聞くわけにはいかない面もある。だが、北朝鮮が公式・非公式に説明していることを注意深く聞いていれば、北朝鮮が体制の維持、生存の確保を、最大の国家目標としていることは明らかだ。

体制維持のために核・ミサイルが果たして望ましい手段なのか。さまざまな考えがありうる。国際社会で尊敬を受けるような方法で努力する、つまり、各国から祝福されるような方法によるほうがよい、効果的だという考えもあろう。

が、北朝鮮の考えは間違っていると言うだけでは、物事は解決しない。これまで国際社会は、安全保障理事会決議を採択して北朝鮮を非難し、決議の履行を求めるとともに制裁措置を科してきた。これを何回も重ねてきた。2016年初頭、北朝鮮が初の水爆実験を行い、ミサイルの発射実験を複数回行ったので、3月、かつてなかったといわれるほど厳しい制裁を科し、その忠実な履行が必要であることを各国は確認し合った。

この決議も期待された効果を生んでいない、といわざるをえない。しかも、何回も国連決議を重ねてきた結果、遺憾なことだが、国連決議は色あせてきた感さえ出てきている。この際、国連決議だけでは非核化を実現できないという問題を直視し、さらなる対応策を講じるべきだ。

体制維持には触れていない国連決議

国連決議の問題は、北朝鮮の体制の維持という、本質的問題を取り上げていないことである。確かに国連決議には、核実験を非難し、繰り返してはならないという当面の問題についての要求と、核の開発を中止し核兵器を放棄すべきである根本的な要求は、入っている。しかし、北朝鮮の体制維持問題には、触れていないのだ。

では、北朝鮮の体制維持については、どの国がどのようにして認めることができるか。北朝鮮が承認を求めているのは、韓国は別として、米国と日本である。中でも米国は六十数年前、実際に北朝鮮と戦争をしており、現在は休戦状態にあるが、これは暫定的な措置で、簡単に崩れる危険がある。北朝鮮の地位はそれだけ不安定なのであり、米国との関係を解決しなければ、北朝鮮の体制維持はおぼつかない。

ちなみに中国とロシアは、北朝鮮が建国したときから承認している。

米国が北朝鮮を承認するのに、決まった方法があるわけではないが、休戦状態にある朝鮮戦争を正式に終わらせ、平和条約を結ぶことが普通の方法である。実は、北朝鮮は相互不可侵協定や平和条約などの考えを持ち出したことがあるものの、当時は条件があまりにも整っておらず、米国が応じなかったのもやむをえなかった。

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