衣料店が「オールドネイビー」跡地を狙う理由 マックハウスは新業態で進出、復活を期す

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その中で同社が進めているのが新業態の開発だ。

新業態は2つある。「マックハウススーパーストア」は都市近郊型で、リーバイスのジーンズなどのナショナルブランド(NB)を充実させた店舗形態。もう一つの「マックハウススーパーストアフューチャー」は地方郊外型で、プライベートブランド(PB)主体の店舗形態だ。いずれも平均店舗面積は200坪以上と、従来の120坪と比べて大型化する。新規出店に加え、既存店の移転改装も積極化する。

新業態「スーパーストア」は都会的な雰囲気を演出。商品がハンガーがけで整然と並ぶ(写真:マックハウス)

「これまでの当社の店は食べ物屋でいうと“昭和の食堂”。特にSCと競合する店では客足が遠のいてしまっている」(白土社長)。そんな同社にとって、SCの一等地にあるオールドネイビーの跡地は、格好の出店場所となる。

新業態でオールドネイビー跡地に進出

そして同社はオールドネイビー跡地に2店舗の出店を決めた。神奈川県のMrMax湘南藤沢SC店と鳥取県のイオンモール日吉津(ひえづ)店だ。

MrMax湘南藤沢SCでは3月18日、マックハウススーパーストアがオープンする。1階角地の好立地で400坪を超える店舗面積はマックハウスにとって最大規模。ビジネスカジュアルも含めた1000アイテム、5万点に及ぶ、同社最大の品ぞろえを実現する。オールドネイビーの頃は同ブランドでも5位以内に入る年間7億円を売り上げていた。「オールドネイビーの売上高は最低限の目標だ」(白土社長)。

他方、イオンモール日吉津店の跡地には、マックハウススーパーストアフューチャー業態での出店となる。こちらも店舗面積は400坪を超える。「日吉津にはほかにファミリーカジュアルを取り扱う店がない。都市型店舗よりNBを減らしてPBのジーンズ中心に展開する。地方であっても1店舗あたり3億円を狙う店を作っていきたい」(白土社長)。今後もオールドネイビー跡地には積極的に進出する計画だ。

衣料専門店が単なる安さだけで太刀打ちできないことは、オールドネイビーの撤退からも明らかだ。マックハウスは消費者に対し新しい価値を提供できるか。オールドネイビー跡地での新業態が、同社復活の試金石となる。
 

菊地 悠人 東洋経済 記者

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きくち ゆうと / Yuto Kikuchi

早稲田大学卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者を経て2017年10月から東洋経済オンライン編集部。2020年7月よりIT・ゲーム業界の担当記者に。

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