豪雨災害で6年不通「只見線」復活への道のり 上下分離、地元一部負担での復旧方針決定

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会津川口駅に停車中の只見線列車。2両ともロングシート車であった(筆者撮影)

現在の只見線で使われているディーゼルカーは、国鉄末期に製造されたキハ40系。すでに車齢は40年近くに達しており、早晩、老朽化、取り換えが問題となりそうだ。

しかし、これはできるだけ延命させ、長く使うことを提案したい。今日のJR東日本の標準的なディーゼルカーの設計では窓は固定式。それに置き換えるとなると、自然の風が感じられなくなり、惜しいからだ。

また、同じキハ40系でも、最近では他地区からオールロングシートに改造された車両が転入し、数を増しているのも残念だ。これは混雑対策から施された改造だが、クロスシートが邪魔になるほどのラッシュは只見線にはない。将来的には新型への世代交代は必要としても、当面はキハ40系のクロスシート車をできる限り集めて、観光客の需要に最低限、応じることも必要ではないか。

ローカル鉄道再生のモデルケースに

沿線では随所にこうした幟も立てられ、地元の意識の高さを表している(筆者撮影)

最後になったが、今でも熱心な只見線ファンは多いことを添えておきたい。現地を訪れれば、鉄道に親しみ、復旧と只見線活性化に取り組む地域の人々のさまざまな活動に触れることになる。また、豊かで素朴な自然の中を走る列車を撮影するため、春夏秋冬を問わず、只見線へ頻繁に通う人たちもいる。

地元自治体の計画通りとなれば、会津川口〜只見間はJRの既存路線で初めて上下分離方式で経営される区間となる。公共交通機関の維持に地元も責任を負うことになるのだが、地域住民が見放さない限り、只見線は大丈夫なのではないかとも感じる。ぜひ、ローカル鉄道再生のモデルケースとなってほしい。

土屋 武之 鉄道ジャーナリスト

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つちや たけゆき / Takeyuki Tsuchiya

1965年生まれ。『鉄道ジャーナル』のルポを毎号担当。震災被害を受けた鉄道の取材も精力的に行う。著書に『鉄道の未来予想図』『きっぷのルール ハンドブック』など。

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