「再婚」を希望する人々が悩む法的問題とは 結婚の「4分の1」が再婚という時代が来た中で

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質問2)戸籍には「前妻」と「現在の妻」の名が並ぶ?

バツイチの男性との結婚を予定するアユミさん(35)は、戸籍のことが気になっている。「実は、カレが住む家には以前、前妻も住んでいたんです。彼は離婚後も本籍をこの住所から移していないので、私と再婚すると彼の戸籍には、前妻との結婚・離婚歴や、私と再婚したことも載ってしまうのでしょうか」。仮に、同じ戸籍に離婚歴が記されたところで、アユミさんに実害があるわけではないが、「気分的にイヤですし、これから生まれてくる子どもにも、彼の離婚歴のことは知って欲しくないです」という。

回答)「本籍地を移動させれば、離婚の事実は戸籍に記載されません」

通常、離婚した場合、戸籍には、離婚した事実が記載されますし、その後に再婚した場合は再婚した事実も記載されます。しかし離婚後、本籍地を他の市町村に移動させた場合(「転籍」といいます)は、離婚した事実は転籍後の戸籍には記載されません。もっとも、離婚した時点での戸籍は、「除籍」として、離婚の際の本籍地に保存されていますので、「除籍」を調査すれば、離婚した事実はすぐに分かってしまいます。少なくとも、彼が亡くなった後の相続手続の際には、除籍謄本まで取り寄せる必要がありますので、お子さんに彼の離婚歴を完全に隠すことはできないと思われます。

質問3)前妻の荷物は勝手に処分してもいい?

後妻の立場で結婚したのが、アヤコさん(41)だ。夫は離婚から4年後にアヤコさんと出会い、再婚した。子どもは2人。再婚して3年となる。前妻との間に子どもはいなかった。

「前妻さんとは会ったこともなく、不倫でもないので、特別な思い入れはありません。でも、結婚当初に住んだ家は、前妻も離婚直前まで住んでいたんですよね」と話す。そこで、「前妻が忘れていったらしい洋服やアクセサリー、女性が好みそうな食器などは全て、こっそり処分しました」という。

回答「勝手に処分するのは、法的には大いに問題です」

「物」は、その所有者でなければ処分することはできません。前妻の荷物を勝手に処分した場合、民事上は「不法行為」になってしまいます。また、刑事の面では、他人の物を勝手に捨ててしまった場合は「器物損壊罪」、勝手に売却してしまった場合は「占有離脱物横領罪」などに問われる可能性があります。

従いまして、前妻の荷物を勝手に処分することは、法的には、大いに問題があります。

もし、離婚歴があると知っていたら…

質問4)「離婚歴」を隠して「婚活」してもいい?

5年前に離婚し、現在婚活中というナオトさんは「離婚歴があることは最初に知り合ったタイミングでは、秘密にしておこうと話しています。別れた妻との間には子どもがいなかったので、縁も切れているので。関係が深まってから、離婚については話すつもりです」と話す。しかし、相手によっては「離婚歴があると知っていたら、関係を深めなかった」と思うこともあるかもしれない。自分自身の離婚歴を隠して結婚したら法的に問題になるのだろうか?

次ページ義務ではないのだが…
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