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中古住宅の「瑕疵保険」は、落とし穴だらけだ 政府肝入りの対策を業者が逆手に取ることも

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  • 長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)
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中古マンションの買い取り再販や、リフォーム・リノベーションをセットにした不動産仲介が増加するにつれ、トラブルや不具合もそれに比例して、いや、それ以上に増加していることを、筆者は実感している。たとえばリノベーション済みの中古マンションの場合、築年数が30年以上も経過しているものは、そろそろ上下水道の配管を交換する時期にあたる。ところがこうした隠れて見えない箇所にはおカネをかけない、つまりそのままにして表面だけをきれいにし、「保険がついているから安心ですよ」といった営業トークが現場では繰り広げられている。再販事業者としては、配管が2年だけもってくれれば免責だ。

なぜこのようなことが起こるのか。買い取り再販事業者はつねにライバルとの仕入れ競争にさらされており、より高値を提示しなければ事業が成り立たない。このときに、上下水道の配管交換費用を見込んでいては、その分、提示価格が下がり、ライバルに負けてしまう。そこで、交換時期がきていても現時点で水漏れがない、著しい損傷などが見られなければ保険が適用になるといった仕組みを利用するわけだ。

入居後数カ月で水漏れが発覚した例も…

いくつか、具体的な例をみてみよう。横浜市で築40年のリノベーション済みマンションを買ったYさんは、入居後数カ月で水漏れが発覚。その範囲は専有部のほぼすべてに及んでおり、内部造作の多くを壊して工事をやり直すこととなった。保険がついているため費用は心配要らないが、一時的に引っ越しを余儀なくされるなど、生活に多大な影響が出た。

世田谷区でリノベーション済みマンションを購入したSさんの事例では、保証が切れた2年数カ月後に水漏れが発覚。保険期間は切れているため、当然、自身で補修する必要があった。建物を一部解体したところ、上下水道配管は30年以上前のものだった。

こうした笑えない事態を回避するためには、隠れて見えなくなっている上下水道配管や電気配線などについて、どのように考え、どう処置したのか確認することだ。リノベーション前の写真を保管しているはずだから、そういった資料も見せてもらおう。

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