中古住宅の「瑕疵保険」は、落とし穴だらけだ 政府肝入りの対策を業者が逆手に取ることも

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さて国はこれまで、空き家活用に加え、先進各国に比して相対的に小さい中古住宅・リフォーム市場倍増をもくろんで各種方策を打ち出してきた。

特にここ数年の力の入れようはすさまじいものがあるが、そうした政策の中で当局が最も重要視しているのが、中古住宅の「瑕疵(かし)保険」だ。

まったく万能ではない瑕疵保険

新築住宅は、主要構造部や雨漏りを防止する部分について10年間の保証が義務づけられているが、中古住宅についてそうした取り決めはなく、築年数が一定程度経過したものについては瑕疵担保免責、つまり引き渡し後に建物の故障が見つかってもすべて買い主が責任を負うとする契約となることも多かった。こうした実情を勘案し、中古住宅に対する漠然とした不安を払拭するために設けられたのが、柱や梁(はり)などの構造耐力上主要な部分と、雨漏りについて1〜5年保証される「中古住宅の瑕疵保険」だ。中古住宅となると給排水管の故障も心配だが、オプションで保証を受けられる商品もある。

ただし、この瑕疵保険については誤解も多い。一言でいえば「まったく万能ではない」ということだ。どういうことか。瑕疵保険適用のための現場検査は「保険期間中に瑕疵が発生しないか」といった観点で検査が行われる。つまり、1年や5年を経過した後に瑕疵が発見される可能性は考慮しない。実際には、3年後、6年後などに瑕疵が発見される可能性があっても、とりあえず保険は適用されてしまう。

こうした事情や可能性を説明し、買い主に入居後の建物ケアを促すなら話は別だが、販売の現場においては、そんなケースはごくまれである。保険は文字どおり「保険」であり、万が一のための備えにすぎない。保証期間終了後に、いつ頃、どこをどの程度修繕する必要があるのか、また、その費用などを十分に理解しておきたいところだ。

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