マツダ、今期営業益を4割減に下方修正した訳 北米販売不振と品質費用がダブルパンチ
[東京 2日 ロイター] - マツダ<7261.T>は2日、2017年3月期通期の連結業績見通しについて、利益予想を下方修正したと発表した。北米地域や日本での販売不振に加え、品質関連費用が膨らむため。一方、通期の売上高予想は円安効果により上方修正した。
通期営業利益は前期比43%減の1300億円(従来は1500億円)に引き下げた。トムソン・ロイターのスターマイン調査によると、アナリスト19人の予測平均値は1608億円で、修正値はこれを下回っている。
営業利益に対し、円安が進んだことで180億円の押し上げ効果があるものの、日本や北米での販売減少の影響で帳消しとなる。品質関連費用では200億円の悪化要因になる。
通期の純利益予想は900億円(同1000億円)に引き下げ、売上高予想は3兆2000億円(同3兆1500億円)に上方修正した。
2016年10月―2017年3月の為替レートは1ドル=102円、1ユーロ=114円を想定していたが、1―3月はドル110円、ユーロ120円と円安方向に修正。通期の想定為替レートもドル107円、ユーロ119円に見直した。
通期の世界販売計画は従来の155万台で据え置いた。中国は好調で従来から2万2000台上積みした一方、日本は5000台、北米は1万7000台引き下げた。セダン「マツダ6(日本名:アテンザ)」などの販売が振るわなかった。
会見した丸本明副社長によると、米国市場ではマツダのインセンティブ(販売奨励金)が業界平均に比べて低いため、今後は額を増やすことを検討するという。トランプ政権の政策に関しては、情報を収集して「影響を冷静に分析」するとし、外部環境に左右されにくい企業体質を目指す、と語った。
(白木真紀、田実直美)
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