「リッツ」と「ルヴァン」の攻防戦、本当の軍配 POSデータからわかった売れ行きの差

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これがスーパーのみの傾向かどうか確認してみた。もう1つ用いたのは、ドラッグストアのPOSデータだ。同じく「TRUE DATA」から抽出した。

2016年12月の数字を見ると1店舗当たりの売り上げ点数はルヴァンが約13点、リッツも約13点とほぼ拮抗している。2016年12月の平均売価をみるとルヴァンは176円、リッツは165円となっている。

対決の行方はどこへ

注意せねばならないのは、あくまで上記のデータは、全体の売れ行きであり、在庫調整などの問題もあることだ。これはあくまで対決の「途中報告」だ。まだ雌雄が決したと論じるには早いかもしれない。ただ主要販路であるスーパーにおける量と規模、という意味からいえば、ヤマザキ「ルヴァン」が勝っているとはいえるだろう。

公正を期すために言っておけば、私はこの2商品について、発売前に某情報番組で食した感想は「両方ともおいしい」だった。

ところで、最後に面白いデータを見ておこう。

上記の青線は「旧リッツ」の数字

ヤマザキが販売していた旧「リッツ」とルヴァンのスーパーにおける1店舗当たりの売り上げ点数を見ると、旧「リッツ」は2016年1~8月まで70~110点が売れており、9月以降はルヴァンが同水準で売れている。ヤマザキは旧リッツの穴をルヴァンで見事に埋めている。

なるほどこれはやはり味の訴求か、それとも、流通が強いのか――。1年後にはさらに明確にわかるだろう。

※記事初出時のデータ集計に誤りが見つかったため、再集計したデータを基に記事内容を一部修正しました(2017年2月4日8時追記)

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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