知らないと損!大衆薬購入で税を浮かせる法 2017年スタートの新制度を知っていますか
では次に、友人に勧められて救急箱の中身を見直したという吉野さん一家のケースをみてみましょう。吉野さんは、妻と小学生の子供の3人暮らし。救急箱の中には、飲み薬に限らず、絆創膏やガーゼなどの衛生用品もあります。その中でも、頻繁に購入する医薬品は、腰痛に悩まされている吉野さん愛用の「ボルタレンACテープ」(グラクソスミスクライン)、「バンテリンコーワ液EX」(興和)、花粉・ハウスダストに弱いという妻・聡美さん愛用の目薬「ロート アルガード クリアブロック」(ロート製薬)、子供用の風邪薬「こどもパブロンせき止め液」(大正製薬)、大人の風邪薬「エスタックイブ」(エスエス製薬)、食べすぎ・飲みすぎに効く「第一三共胃腸薬」(第一三共ヘルスケア)でした。
まずよく使う薬から調べてみた結果、「こどもパブロンせき止め液」や「エスタックイブ」の飲み薬に限らず、貼り薬の「ボルタレンACテープ」や、塗り薬の「バンテリンコーワ液EX」、さらには目薬「ロート アルガード クリアブロック」もスイッチOTC医薬品に該当しました。
ただ、「第一三共胃腸薬」については、胃酸による胃痛に効くタイプの制酸系胃腸薬の場合は該当するのですが、吉野さん一家が愛用している食べすぎ・飲みすぎに効くタイプの総合胃腸薬は該当しませんでした。スイッチOTC医薬品に切り替えられるか検討してみたものの、やはり効用が異なってしまうため、総合胃腸薬から制酸系胃腸薬に変えることは断念しました。
とはいえ、薬局で購入する薬が年間4万円程度かかるという吉野さん一家。スイッチOTC医薬品の購入額が年間3万円ほどと仮定して、3600円の減税が見込めそうです(控除額は3万円のうち1万2000円を超えた1万8000円のため、所得税率10%<吉野さんの課税所得金額は260万円のため>と住民税率10%を合わせて3600円の減税)。
薬局では、購入者がパッケージを見てわかるように、対象医薬品には今後、目印のシールが貼られることになります。CMやパッケージのイメージが強く、一覧だけではピンとこないなぁと思っていたので、一目で区別がつくのはとても便利です。さらに最近目にするCMでも商品名の横にマークを表示しているものもあり、アマゾンでも検索をかけると対象商品にその旨の記載がされているので、世間の認知度はこれからさらに上がってきそうです。
「利用できる壁の低さ」と「控除の恩恵の低さ」
次に、「領収書の管理方法の工夫」を行うことについてです。
管理方法はいたって簡単。領収書は「スイッチOTC医薬品にかかった分」と「それ以外」の2つに区別して保管しておくだけです。
なぜスイッチOTC医薬品分だけ別に区分しておく必要があるかというと、セルフメディケーション税制の適用を選択した場合、従来の医療費控除の適用を受けることができなくなるため、1年が終わったときに、どちらを適用するかスムーズに選べるように、いずれの適用の可能性をも考えて最初から分けておくことで集計、判断をしやすくするためです。
セルフメディケーション税制と従来の医療費控除との大きな違いは「利用できる壁の低さ」と「控除の恩恵の低さ」。
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