地方は儲からない「イベント地獄」で疲弊する 現場がボロボロになる3つの「危険な罠」とは

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読者の皆さんの地域のトップや責任者の方針は、以下の「3つのチェックポイント」に当てはまっていないでしょうか。もし該当するなら、要注意です。

いつのまにか、もらうこと自体が取り組みに…

危険信号1 : 「予算目当て」で事業を増加させる

まず危険なのは、「予算目当て」で事業に取り組むことです。「◯◯事業をすると予算がつく」といったような情報をもとにして、毎年新たな事業を増加させていないでしょうか。コンサルタントが「今なら、この事業をやれば予算がつきますよ」といった具合に地域側に売り込みにきて、それに乗っかって「やること」を増やしてしまうのです。さらに補正予算などが決定されると、予算消化のための「突発イベント」を急にやるなどと言い出すのは最悪です。

予算をもらうことは、目的を達成するための手段にすぎないはずです。なのに、いつのまにかもらうこと自体が取り組みになっている組織が少なくありません。結局、すべては予算ありきで事業は進みます。予算が尽きれば何も残らない。そこにかけた人手も組織予算も、すべて予算をもらうためだけなので地域に何も残らず、事業が終わると、むしろ衰退していくのです。

危険信号2 : 「はやり」に左右されて事業に一貫性がない

地域活性化の分野では、毎年「はやり」というのがあります。仕事を増やすことばかりを考えている危険なトップは、そうした情報にすぐに左右されます。新聞で取り上げられる事例、年度末に出てくるさまざまな役所が出していく報告書などに掲載される「先進地域の事例」に、強い関心を示すのです。

そして、トップは「ウチのまちでも、同じような取り組みをやろう!」と言い出し、やることを増やしていきます。

各地域の成功は「地域の課題」「解決に取り組むメンバーの力量」「タイミング」という3つの要素によって成立しています。本連載で繰り返し指摘しているように、他地域の事例は参考にはしても、自分の地域の状況判断とその解決策の起案は、あくまで地域のトップたちが自分たちの頭で答えを出すしかありません。

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