「ほめ方が下手な人」に共通する残念な考え方 自分目線を基準にしていたら相手に届かない
逆の視点に立って考えてみましょう。同じ職場の人があなたのいつも飲んでいる缶コーヒーの銘柄を覚えてくれて、疲れ切っているときに「ほら、差し入れ」とスッと差し出されたら、「えっ、よく覚えていてくれたなぁ!」と思わず笑みがこぼれてしまうのでは。
相手の好きなものを知ることは…
相手の下の名前、好きなこと、好きな料理、最近うれしかったこと、悩んでいること……。これらのことに思いを馳せ、知ろうとするのは、ほめるためのプロセスとして実はとても重要なことなのです。それは、その人を好きになろう、長所を見つけようとする行為そのものだからです。
相手の好きなものを知ることは、相手との距離をぐっと縮めてくれるだけではありません。他人と同じ世界を共有することで、他人と自分が一体となれるのです。
具体的に私がお勧めしているのはとても簡単。「1日10秒でいいから、ほめたい相手のことを思い浮かべる」ということです。大切なのは、相手のことを知ろうとする心。自分のことを見て、心配してくれる人がいる――。これはすごくうれしく、頼もしいことです。
女性であれば「髪型、変えたの?」「新しいネイル、かわいいね」と言葉をかけられるだけで「自分のことをちゃんと見てくれているんだ」と感じ、満たされた気持ちになります。男性でも「表情が引き締まっているね」などと言われれば、悪い気はしないでしょう。ほめたい相手をちゃんと見ること。そして、「ちゃんと見ているよ、ちゃんと考えているよ」というサインを送ることが、ほめる第一歩です。慣れてしまった関係だと、なかなか相手のことを考える機会もないものです。
ここ数日でどんな、ほめるところがあったのか。
「そういえば、ゴミ出しを手伝ってくれていたな」
「夕食をおいしいと言ってくれたな」
もしも相手が夫なら、こうしたことを思い出すかもしれません。日々のささいな出来事でも、ほめるポイントはいろいろ見つかるのではないでしょうか。
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