フルマラソン4時間切り!85歳「超人」の秘密 老化は意志の力である程度抑えられる

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こうしたアスリートたちは一般的に、好奇心が強くてのびのびとした性格で、「肉体的にも感情的にも元気」だとジョイナーは言う。親族の集まりで水鉄砲を撃って遊ぼうと言い張るおじさんやおばさんのようなものだ。

「もちろん、生物学的な要素もある。だがこうした人々を通して見えてくるのは、彼らは決して怪物などではないということだ。多少の運はあるが、老化というのはある程度、意思の力で制御可能なのだ」

もっとも、さすがのホイットロックといえども老化と折り合いをつけざるをえないこともある。10月のトロント・ウォーターフロント・マラソンの前、彼の体重は47.6キログラムに落ちた。筋肉が衰えつつあるのだろうかと彼は考えている。

このときのタイムは3時間56分34秒で、同じトロントで走った73歳のときの記録(2時間54分48秒)からは1時間以上も遅くなっている。

73歳のときのこの偉大なる記録は絶頂期のマラソン選手が2時間4分48秒(ちなみに現在の世界記録は2時間2分57秒)で走ったのに相当するとされる。スポーツジャーナリストのマーク・ブルームはかつてニューヨーク・タイムズに、この記録によりホイットロックは「この年代では世界で最も優れたアスリート」になったと書いた。

衰えは感じつつも、ひたすら前へ

昨年、ホイットロックはほかにもハーフマラソンを1時間50分47秒で走るなど、この年齢層における最速記録をいくつも更新した。だが、肩やひざ、股関節の痛みで練習を中断することも増えたという。

「この年になれば衰えるスピードは加速する」とホイットロックは言った。

1968年のボストンマラソンの勝者で、長年にわたって『ランナーズ・ワールド』誌の編集長を務めたアンビー・バーフットは70歳の今も走り続けている。バーフットはホイットロックについてこう語る。「風速45メートルの風に吹き倒されてしまいそうな外見なのに、エドは自分の進路を定め、ほかの追随を許さない記録を打ち立てながらひたすら前に進んでいる」。

(執筆:Jeré Longman記者、翻訳:村井裕美)

© 2017 New York Times News Service

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