鉄道と飛行機が「運休」を決める基準は? そこまで悪天候でもないのに止める理由

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このように、飛行機の運航に影響を及ぼす気象条件は、基本的にはどの航空会社でも共通です。しかし、実際には航空会社によって欠航が発生したり、そうでなかったりします。これはなぜでしょうか。

先述の空港の設備、飛行機の機種、パイロットの資格が便ごとに違うという事情があります。また雪の場合には、積雪状態による滑走路の滑りやすさの基準によって、先の飛行機は着陸できなかったものの、その後滑走路の除雪が実施されて、後続の飛行機が着陸できたというケースもあります。これらの差は、会社ごとというよりも便ごとの運航時間と悪天候のタイミングの問題になります。

航空会社が欠航を判断するのは

航空会社によって飛行機を飛ばすかどうかの判断が異なることで、欠航するかどうかの判断に差がでることもあります。各航空会社には、運航全体をコントロールする責任者(運航管理者)がいます。

JALでは、運航管理者と飛行機の機材繰りを担当する統制者などによるオペレーションコントロールセンターがあり、ここですべての便の運航を監視しています。そのコントロールセンターの最高責任者がミッションディレクターです。ミッションディレクターを中心として、コントロールセンターでは日常の運航において発生する悪天候のタイミングによる影響を総合的に判断しながら、安全運航の実施に取り組んでいます。

このように、鉄道や飛行機が運休を決める基準は、さまざまな要素が絡み合って複雑です。歩くのならなんとか行けてしまうような天気であっても、安全のために電車や飛行機を止めざるをえないことが多いのです。速いスピードで大勢の乗客を乗せて運ばなければいけないので、仕方がないことだといえます。

しかし、どの気象条件が交通機関にとってどう危険なのかがある程度わかれば、遅れを見越して早めに出発する、予定をキャンセルするなどの判断がある程度はできるようになります。いざ出掛けてから交通機関がマヒしているのに直面してあぜんとすることも少なくなるのではないでしょうか。

今井 明子 気象予報士・サイエンスライター

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いまい あきこ / Akiko Imai

2001年京都大学農学部卒。酒メーカー商品企画部、印刷会社営業職、編集プロダクションを経て、2012年からフリーに。子ども向けや一般向けにわかりやすく科学を解説する書籍や記事を多数執筆。著書に『気象の図鑑』(共著、技術評論社)、『異常気象と温暖化がわかる』(技術評論社)がある。ほか、医療・健康、教育、旅行分野も得意。気象予報士として、お天気教室や防災講座の講師も務める。

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