「できない人事」は性悪説で会社を振り回す

メルカリ人事担当取締役に聞く<後編>

――自分の仕事とは関係ない職務のSlackにも?

さすがに、ストックオプションや給料などのチャンネルは一部の人間しか入れませんが、それ以外は基本全部オープンです。誰でも出入り自由です。僕自身、カスタマーサービスのチャンネルや、エンジニアのチャンネルなどかなり多くのチャンネルに入っています。

ベンチャーでありがちなのが、小さかった最初の頃は会社に何が起きているかを誰もがすべて知っていたのに、大きくなるにつれて知らないことが増え、次第にそれが不満になっていくケースです。

昔は自然と情報が伝わってきていたのに、だんだん承認のプロセスが入ってきて、「なんであなたの承認を取らなきゃ教えてもらえないんだ」ということになる。ベンチャーではよく聞く話です。

僕らとしては、情報はオープンだということにしています。「与える」ということはしないけれど、誰にでも見られる環境にしておくので、欲しいなら自分で取りにいってくれと。

――思い切っていますね。

メルカリの大前提に、性善説があります。ですので、会社の重要なデータであっても、ほぼすべてに誰もがアクセスできます。その代わり、僕ら経営陣がほぼすべてのSlackのチャンネルに入ってその内容を見ています。

もちろん、問題がなければ、ROMっているだけです(投稿はしないけど、目は通している状態)。問題があれば「なぜこうなっているの?」と随時やりとりを始める感じです。

性善説で情報をオープンに

小泉 文明(こいずみ ふみあき)/メルカリ人事担当取締役。早稲田大学商学部卒業後、大和証券SMBCにてミクシィやDeNAなどのネット企業のIPOを担当。2007年よりミクシィにジョインし、取締役執行役員CFOとしてコーポレート部門全体を統轄する。2012年に退任後はいくつかのスタートアップを支援し、2013年12月株式会社メルカリに参画。2014年3月取締役就任

――瞬時に対応されているのですね。

メルカリでは、事件が起きても解決までが速いですよ。大きな企業では、たとえば毎週水曜日が定例の会議だから、来週の水曜までこの議題に関する意思決定はできない、というような話を聞きますが、これはナンセンスだと思います。事件は今起きているので。

――チャットツールだと情報が流れていったりはしないのでしょうか?

社内用のWikiがあり、決まったことはそこに貯めています。途中で入ってくる社員もいるので、そういう人たちが迷わないようする配慮です。

――SlackとWikiを使い分けているのですね。

Slackはディスカッションをしていく場で、Wikiはナレッジを蓄積する場です。それから、メルカリでは、社内報告用のパワーポイント資料はほとんど作られないです。

次ページ伝統的な日本企業の人事を見ていて感じること
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 高城幸司の会社の歩き方
  • 「米国会社四季報」で読み解くアメリカ優良企業
  • ゴルフとおカネの切っても切れない関係
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
好業績の裏で検査不正<br>スズキ「鈴木修経営」の光と影

5月10日の決算会見に登壇し完成検査の不正を詫びたスズキの鈴木修会長。不正は組織的・構造的な問題か、現場への目配り不足によるのか。長年にわたるカリスマ経営の副作用を指摘せざるをえない同社のガバナンス体制を詳解する。