電通「過労死」問題は社長辞任で解決できない

「過剰労働」の裏にある「深刻な2つの問題」

何をいいたいかというと、日本人は普段はすごく優しくて気遣いもできるのに、いったん消費者、つまりお客様に回ると傍若無人に暴れまわる傾向があるということです。アメリカなどでは考えられない振る舞いをします。会社では自分たちがサービスする側にいるにもかかわらず、いざ消費者となった途端に、そんなことをすべて忘れて「モンスター消費者」やクライアントに変身する。俗にいう「モンスターペアレント」も同じルーツだと思います。

お客様は「神様」ではない

どうして日本人はそうなるのでしょうか。

思えば飛行機に乗っていると、日本人消費者によるモンスターぶりがつぶさに観察することができますね。まず乗るときにCA(キャビンアテンダント、客室乗務員)のみなさんがおはようございます、御搭乗ありがとうございます、と挨拶をしているのにちゃんとあいさつを返している客を見たことがない。この記事を読んでいるみなさんは如何ですか?

サービス業の方があいさつをしてきたときにきちんと挨拶を返してますか?「カネ払ってるんだから当然だろ」とか、思ってません?飲み物をサービスしてくれたCAにありがとう、ときちんと挨拶をしている乗客をワタクシは日本では、ほとんど見たことがないのです。

その点アメリカなどの先進国ではほぼすべての人々が サンキュー!とかチアーズ!とか必ず一言添えるのです。サービス業はみなさまの奴隷ですか?違うでしょう。自分がその立場になればわかるはずですが、わたし、そういうことが非常に気になるわけです。こんなに礼儀正しい国民性なのに、どうしてサービスを受ける立場となると途端に傍若無人になるのか。

はたまた、タクシーの運転手さんに対してはどうでしょうか?

お恥ずかしい話ですが、この前20代のわが社の社員とタクシーに乗った時、彼が「そこ右!」「そこで止まって」などとあまりに厳しい命令口調で指示したので、「今後もそういう態度を取ったら、おまえ、クビにするぞ」と説教する羽目になりました。

「どうして『そこを右にお願いします』と言えないのか。運転手さんは少なくともお前よりはるかに年齢の高い社会人だぞ。その人に向かって命令するのか??」と叱りました。お互いに気持ち良く仕事をするためには、サービスをする側の立場に立つことが必要なのです。相手は奴隷ではないのです。同じ人間で職業として相手にしてくれているだけであって、お客様が神様なんてことは決してない。

つまり電通における過剰労働の裏には、まさにこういうモンスタークライアントとでもいうべき存在がいるのです。どうでもいい仕事を「明日までに仕上げてこい、今日中に絶対に必要だ」、などとかいって電通社員を奴隷のごとく扱う企業を、私はたくさん知っていますよ。

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