日経平均が2017年末2万3000円に向かう理由 大和・木野内氏に聞く「トランプ相場」の行方

拡大
縮小

一方でレパトリ減税が決まらないと、このシナリオは大きく変わる。財政支出も限定的となり、景気拡大の期待は剥落する。為替は1ドル100円水準へ向かい、株価も1万6000円への調整が懸念される。

高圧経済が日本にも及ぶようになれば、企業が雇用や設備投資、研究開発に積極的になるだろう。人手不足への対応、生産性の向上が見込まれる分野に期待できる。

建設や物流が有望、電池・半導体材料も注目

たとえば、建設セクターはドローンや情報技術の活用が進み、生産性が改善している。システム業界も恒常的な人手不足で、従来のように人手のかかるオーダーメイド型から、生産性の高いセミオーダー型・パッケージ型への移行が進んでいる。

物流も共同配送やドローン宅配など効率化の取組が盛んだ。外食や小売りなどもIoTの活用で効率化が期待できる分野だ。

技術革新で成長が期待される分野としては、電池、半導体に注目している。電池は自動車向けに大幅な需要拡大が見込める。材料中心に有望な銘柄は多い。半導体は3次元NANDメモリや有機ELパネルなどに注目する。部材や製造装置などニッチな分野で強い日本メーカーは数多い。

木野内 栄治 大和証券投資戦略部チーフテクニカルアナリスト兼シニアストラテジスト

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きのうち えいじ

日本経済新聞社、毎日新聞社のアナリストランキングにおいて、2003年から市場分析部門等で13年連続第1位。東証ペンクラブ文化賞受賞、東洋経済新報社・高橋亀吉賞優秀作受賞、景気循環学会中原奨励賞受賞、同学会理事。

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