米国の若者が抱える学生ローンの重荷 7月から金利がいきなり2倍、3.4%から6.8%に

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事実、学生ローンは景気後退下でも残高が増加を続けた唯一の家計債務として知られている。米国全体の学生ローン債務残高は今年3月末時点で9860億ドルと、1兆ドルの大台が視野に入りつつある状況だ。2010年には残高ベースで自動車ローンやクレジットカードローンを上回り、今や住宅ローンに次ぐ存在となっている。

債務残高が増加を続けている背景には、学費の高騰がある。米国教育省の全米教育統計センターによると、4年制大学の学費は2000年代に入っておおむね前年比5%近い速さで増加を続けており、物価上昇ペースを大きく上回っている。寮費や食費などを含めると、4年間の総額で10万ドル近い出費となる計算だ。

また、進学意欲の高まりが継続していることも、債務残高の増加に影響しているとみられる。2010年の大学就学率(18~24歳人口に占める2・4年制大学学生数の割合)は41.2%と、10年前の水準から5%ポイント以上も上昇している。

学費が高騰しているにもかかわらず進学意欲が衰えないのは、大学進学に相応のメリットがあると考えられているからだ。

実際、学歴別の賃金水準(中央値)を見ると、4年制大学以上の学位を持つ労働者の週当たり賃金は昨年平均で1165ドルと、高卒者(652ドル)の1.8倍、高卒未満(469ドル)の2.5倍の水準である。

加えて、就職機会の差も歴然としている。大学卒業者の失業率は昨年平均で4.0%だが、高卒では8.3%、高卒未満では12.4%にハネ上がる。就職環境にこれほどの差があることを踏まえれば、大学進学意欲が高まることも無理はないだろう。

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