ブラックバイト問題の語られない意外な真実 むしろシワ寄せは店長や社員にいっている

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平賀:そうなんです。経営者からは現場に対して「ちょっとアルバイトのシフト入れすぎてない?」「もうちょっと少ない人数でも回せるんじゃないの?」という要望もあるようです。アルバイトの労働環境は改善されつつあるようですが、しわ寄せが店長、社員にいっている感があります。

常見:よくあるブラックバイト報道とは違う世界が広がっているという。

平賀:ご存じの方も多いかと思いますが、コンビニエンスストアでも同様の問題が起きています。アルバイトを採用できず、オーナーが泣く泣く夜に出勤するわけなのですが、一方で、アルバイト人件費はかからないので利益率が高まる。オーナーは自分の身体を酷使するけれど儲かるから、まあ、いいかと。

アルバイトがブラック化しにくい構造って、アルバイトに無理をさせるより店長が無理をした方が利益は出るということも大きく影響しているんでしょうね。先程紹介した店長さんも、アルバイトのシフトを組めない際は、自分がちょっと頑張れば、なんとか回って、お店の成績も上がるので「しんどいなぁ」と思いつつも「まあ、いいか」となってしまうと言っていました。

アルバイトを採れる職場はこんな努力をしている 

「採れる会社」と「そうじゃない会社」の差はどこから生まれるのでしょう?

常見:「採れる会社」と「そうじゃない会社」の差がついていく時代です。答えの一つは「若者から支持される職場」なんですよね。

平賀:アルバイトの場合「時間の融通」と「通いやすさ」というのが選択基準の二大テッパンです。むしろ時給よりもその二つ。ただ、アルバイトの人気ランキングでは、コンビニの人気が下がっているんですよ。でも、「時間の融通」と「通いやすさ」という二大テッパン要素がコンビニにはあるじゃないですか。逆にスターバックスがグンと上がっています。

常見:面白い。コンビニって変な話、家の前にもあるわけで、便利な場所にあるからコンビニで、いちばんバイトしやすいはずなのに、低くなっていると。スタバって、基本、お洒落な場所にあるので数駅移動しないといけないはずでしょう。

平賀:全体感としては、アルバイトのトレンドでは、ちょっとキラキラ系ブランドに寄っていて、その要素を付加しないと、なかなか採用強者にはなれないということがあると思うんですよね。「就活に有利」といううわさからスタバでのバイトを考える子も多いですし……。

もっとも、情報伝播のスピード差があって、スタバ人気もどうなるか分かりません。「私スタバでバイトしています的な意識高い系が嫌で、スタバではアルバイトしたくない」という人も出始めているようですし。

常見:ご著書の中で印象的だったのが、アルバイトの応募で電話が復活しているという話です。ネットの時代なのに、応募は電話なのですね。でも、スマホで検索してそのまま電話ボタンが出てきますから言われてみると、合理的です。

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