MBAを取って一発逆転、最短ルートは? MBA連載、佐藤智恵氏が指南

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A社が中小企業だったらどうでしょうか?この場合、ショウタさんのご実家のファミリービジネスであれば、卒業後のキャリアに説得力をもつため、ビジネススクールには合格しやすくなります。

そのほかのケース、たとえば、ベンチャー企業を創業した場合、卒業後の職が保証されていて、なぜ転職したかというストーリーに説得力があれば合格することも十分可能でしょう。ビジネススクールは、起業に挑戦した人を高く評価するからです。

さて、A社についてあれこれシミュレーションすると同時に、現在の投資銀行で働き続けた場合も考えてみましょう。仮に転職しなかった場合、現時点で、下記はそれぞれ何パーセントでしょうか?

1)ビジネススクールに合格するか。

2)合格したとして、卒業後、希望のCFO職に就けるか。

それとA社に転職した場合を比較して、検討すればいいのです。

第2希望の検討もお忘れなく

一般的に言えば、ビジネススクールへの合格ということだけを考えれば、「転職したての企業では休職留学が認められにくい」「学校側に卒業後の職が保証されているか不安がられる」という理由から、転職しないほうが無難ですが、そこはA社が何になるかによって変わってくるので、どちらがいいとは断言できません。

つまりショウタさんが今やるべきことは、A社を具体的にして、実際に転職できるかどうかも含め、情報を集めることです。そして、まずは内定をいくつかもらってから、このシナリオ分析の図にあてはめて考えてみれば、具体的に判断できるでしょう。

さて、この図でもうひとつ考えていただきたいのが、バックアッププランの第2希望を何に設定するかです。

極端な例を挙げると、「トップ校MBA+微妙な職(トップ校に合格すれば、結果としてCFOになれなくてもいい)」、なのか、「MBAなし+CFO」(CFOになれれば、MBAなど必要ない)なのか? それによっても、最初の「転職するか」の決断が変わってくるでしょう。

今月15日には、アゴス・ジャパン主催で大きなMBAイベントが開催されます。各校の卒業生や在校生が多く来場しますから、生の声をたくさん聞いてみるのもいいのではないでしょうか。

 

 

佐藤 智恵 作家・コンサルタント 

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さとう ちえ / Chie Sato

1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。ディレクターとして報道番組、音楽番組を制作。 2001年米コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年、作家/コンサルタントとして独立。主な著書に『ハーバードでいちばん人気の国・日本』(PHP新書)、『スタンフォードでいちばん人気の授業』(幻冬舎)、『ハーバード日本史教室』(中公新書ラクレ)、『ハーバードはなぜ日本の「基本」を大事にするのか』(日経プレミアシリーズ)、最新刊は『コロナ後―ハーバード知日派10人が語る未来―』(新潮新書)。公式ウェブサイト

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