ホンダ・グーグル、完全自動運転「提携」の意味

シリコンバレー流で先端技術開発を加速へ

なぜホンダがシリコンバレーのIT企業と組むのか。高度なITが必要な技術においては、独自に取り組むよりも協業のほうが製品化までのスピードが速いからだ。ただ自動車メーカー側に都合の良いことばかりではない。

HSVLの杉本直樹シニアプログラムディレクターは「ベンチャーには『開発の成果はホンダ車だけに展開する』という要望は通用しない」と指摘する。ホンダとの協業で成果が出れば、当然ベンチャー側はそれを他社にも売り込みたいということだ。

共同研究はホンダにメリットがあるのか

ホンダ・シリコンバレー・ラボは、グーグルにもほど近いマウンテンビューにオフィスを構える(記者撮影)

今回のウェイモとの共同研究も、このHSVLが窓口となって2016年の夏ごろから話し合いが進められてきた。ただ、現在は覚書の段階であり、正式な契約に至るまでには不確定な要素が多い。

ウェイモは共同研究のデータをホンダに対してどこまで開示するのか、得られた知見はどこまで他社にもオープンになるのか。ホンダが独占できる技術や知見がなければ、完全自動運転で他社に差を付ける要素がなくなってしまうというリスクもはらんでいる。

2016年は、1月にトヨタがシリコンバレーに「トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)」を開設、3月には米ゼネラル・モーターズ(GM)がシリコンバレーの自動運転ベンチャー「クルーズオートメーション」を買収するなど、外部の技術や人材を取り込もうとする動きが世界最大手クラスの自動車メーカーで目立った。

それに対して、FCAやホンダのような中規模メーカーが持つ開発リソースは限られている。彼らがグーグルをパートナーに選ぶという戦略はある意味当然といえる。だが、これが自動車メーカー側の競争力につながるかは不透明だ。自動運転開発の世界ではどういったアプローチが最適なのか、いまだ定まらないまま、業界の垣根を越えた動きが加速している。

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