ホンダ・グーグル、完全自動運転「提携」の意味 シリコンバレー流で先端技術開発を加速へ

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ホンダが米国で走行試験をする自動運転の試作車(左)と、グーグルが開発したハンドルなしの完全自動運転車(右)

これまで完全自動運転の開発に言及してこなかったホンダが、大きな一歩を踏み出すことになりそうだ。

ホンダの研究開発子会社である本田技術研究所と、米グーグルを傘下に持つ持株会社アルファベットの子会社「Waymo(ウェイモ)」は、完全自動運転車の共同研究を行う方向で覚書をかわし、実現に向けた検討を始めた。ホンダが提供する車両にウェイモのセンサーやソフトウェア、車載コンピューターなどを搭載し、公道試験を米国で始めるべく協議を進めている。

自動運転の開発会社がグーグルから独立

ウェイモは、これまでグーグル社内で進められていた自動運転車の開発プロジェクトが分離独立して生まれた新会社だ。12月13日の設立から6日後には、欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と共同開発した試作車を発表。ホンダとの共同研究が実現すれば、FCAに続いて2社目のパートナーとなり日本の自動車メーカーと組むのは初めてとなる。

FCAのミニバンにウェイモのシステムを搭載し、完全自動運転の試作車が製作された(写真:Waymo)

ホンダは2020年頃の高速道路での自動運転実用化に向け、独自の開発も進めている。2015年秋には高速道路でのデモ走行を公開した。市街地での自動運転については、米国サンフランシスコ郊外にある「巨大廃墟」となった元海軍施設を活用して要素技術の研究が行われている。

自動車メーカーは「加速(走る)」「制御(止まる)」「操舵(曲がる)」の3つのうちいずれか1つを機械が担う「レベル1」から、複数の操作を機械が担う「レベル2」、3つの操作すべてを機械が担い、システムが要請した場合だけ運転者が対応する「レベル3」と、段階を踏んで自動運転を実現するというアプローチを取っている。

現在では独メルセデス・ベンツや独アウディ、日産自動車などがレベル2の自動運転を実用化しているが、この段階では運転の責任がまだドライバーに帰属する。

ホンダは安全運転支援システム「ホンダセンシング」でレベル1を実用化している。だが国土交通省が12月に公表した予防安全性能評価では参加した11車種のうち最下位となり、自動運転につながるとされる安全運転支援の分野でトヨタ自動車やマツダ、富士重工業(スバル)などの他社に遅れをとっている。

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