「逃げ恥ロス」でも恋ダンスが残り続ける理由 「現代的お立ち台」に示したい適度な達成感

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筆者はYouTuberではなく、ずっと企業の動画プロモーションに裏方として携わってきた。少し前なら動画には費用がかかり、テレビにせよプロモーションビデオにせよ大手企業を中心とするものだった。

今は違う。カメラなどの機材はハイスペック化かつ低価格化し、スマートフォンですらプロ並みの映像が撮れるようになった。さらにインターネット環境がよくなったことで簡単にインターネット上へ動画を配信することができるようにもなった。

こうなるとプロのカメラマンや放送局のように撮ることだけ、放送することだけを仕事としているより、実際にネタを持っているコンテンツホルダーのほうが発信力を持つようになってくる。実際、中小企業はもちろん個人事業主まで、YouTubeを活用して自社商品やサービスを紹介する動画プロモーションが活発化している。

誰もがスターになる可能性がある

この環境の変化はビジネスのシーンだけではない。拙著『YouTube成功の実践法則53』の感想や問い合わせは、ビジネス活用の範疇に留まらず、小学生や子供の代筆でご両親からいただくことも多い。

その多くが「YouTuberになりたい」や「子供がYouTuberになりたいと言っているがどうすればいいですか?」という内容だ。今春に大阪府内のある小学校で小学4年生に将来なりたい職業のアンケートを実施したところ、男の子のなりたい職業は1位のサッカー選手、2位の医者という定番に続いて第3位がYouTuberだった。

『YouTube成功の実践法則53』(ソーテック)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

子供たちの日常生活の中での何気ない可愛い素振りでさえ”きっずYouTuber”として世界へ配信され、ジャスティン・ビーバーがそうだったように、世界的スターになることもある。

地球全体をお立ち台に変えたYouTubeは私たちの自己主張や存在表現の欲求を簡単に満たせるものにしてくれた。YouTubeで共感を生めば誰もがスターになるチャンスがある。スターは星のように届かない存在から近くで輝く存在になった。しかもそのスターはYouTube上なら、流行に左右されず、視聴者のニーズに合わせていつまでも輝き続けることができるのだ。

来年もYouTubeから流行が生まれスーパースターが必ず現れる。未来のスーパースターが隠れていると思いながらYouTubeを見ると、年末年始もYouTubeが楽しいものになりそうだ。

木村 博史 クリエイティブ・ディレクター

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きむら ひろふみ / Hiroshi Kimura

龍谷大学法学部卒業後、損害保険会社にて保険引受業務、自動車保険開発業務に従事。現在は広告制作会社インプリメント株式会社取締役社長兼クリエイティブ・ディレクター。取引先は企業規模や業種を問わず多岐にわたるが、独立後も多くの保険会社や共済にて募集ツール、映像制作など様々な面から保険に携わる。著書『人を動かす言葉の仕組み』(KADOKAWA)、『YouTube成功の実践法則53』(ソーテック社)

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