低価格国産ダウン「ナンガ」が売れまくる理由 3分の1の価格で「水沢ダウン」と真っ向勝負

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順調に拡大を進めるナンガだが、国内市場の競争は激しさを増している。最近では有名セレクトショップが国内メーカーと協力し、その名前を冠したダウンジャケットを推しているのだ。

ビューティー&ユースがイチオシする小松ダウン。小松精練が開発した生地には特殊なフィルムが張られ、撥水性と防風性を高めている(記者撮影)

ナノ・ユニバースは2012年から西川産業の羽毛を使用した「西川ダウン」に注力。価格は4~5万円台が中心で、今年度の売り上げは初年度4億円から420%増を見込む。

ユナイテッドアローズが運営する「ビューティー&ユース」がプッシュするのは石川の染色加工メーカー・小松精練の生地を使用した「小松ダウン」。こちらも3万円台が中心だ。ナンガにとって中心価格帯である5万円以下のダウン市場は今や、群雄割拠の様相を呈している。

ライバルの多くが海外で生産する中、ナンガの強みは国内生産だ。他社はシーズン前に決めた量を超えて生産することはほぼないが、ナンガの場合は取引先の要望に応えて増産したり、自社工場で修理の依頼にも柔軟に対応できる。「通常のミシン縫いでスタンダードなものしか作っていないからこそ、まだ生産数を増やすことができる」(横田社長)。

とはいえ、現在も生産数の8割はメーカーやセレクトショップとの共同企画商品だ。並み居るライバルの中で、売り上げを拡大していくためには、今年の「タキビダウンジャケット」のように自社オリジナル商品で継続的にヒット作を生み出していく必要があるだろう。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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